23日(月)、精神科救急医療体制の充実について質問しました。
精神保健福祉法が改正され、入院医療中心の精神医療から、精神障害者の地域生活を支えるための精神医療への改革の実現にむけた指針が策定されました。しかし、実態は、精神に障害のある方々が夜間に精神症状が悪化した時、場合によっては、県内の遠隔地に自家用車かタクシーで行かなければならない事もある。また、例えば肺炎が心配される突発的な時にも精神疾患の病名を言うと、受診を断られる場合があるなど、夜間休日の精神科救急及び他科救急の受診先とベッドを地域で確保するのに今だ、苦慮している実態について、見解と今後の対応を質問しました。
健康福祉局長は、夜間休日の精神科救急は神奈川県、横浜市、相模原市との4県市の輪番病院体制で行っているので、遠方での受診となる場合もある事を認識し、今後もより身近な地域で対応できるよう検討を進める。
他科救急の受診先については、精神科病床を有する総合病院において、身体科と精神科の連携により対応しているけれど,状況によっては受け入れ先の決定に時間を要する場合もあるとの認識を示し、関係団体及び市内医療機関への働きかけを継続すると答弁しました。
課題は医師と看護士の確保
現状での課題は何かと質したところ、健康福祉局長は、医療機関ごとに事情は異なるが、精神科医師や看護士の確保を始め、病院としての診療体制など様々な課題があると認識していると答弁。
精神科のベッド数が7年前より減っている
私は、2007年1月時の精神科病院は7病院で、精神科病床は1365床であったものが、本年5月末時の病院数は基本的に同じだが、ベッド数は1347床で、逆に18床減っている。夜間休日における精神科救急病床の拡充が求められていると質しました。
局長は病床数は減っているが、急性期治療病床は徐々に増加していることから、精神病床の機能分化が進んだと考えるとし、既存の病床をより有効に活用できるよう取組を進めると答えました。
公立2病院で2次救急と他科救急が出来ないか質問
精神障害の方々が増加し、入院から地域医療へという国の方針があるなかで,公立病院の担う役割は大きいと思います。(川崎病院は精神科基幹病院として、また2次救急も担っています)全科対応型の救急医療施設である多摩病院には「神経精神科」があります。また、二次救急医療をになう市立井田病院には「精神科」があることから、公立2病院で、精神科の2次救急と他科救急ができないか病院局長に質問しました。
局長は、精神科医や救急医を始め人員の確保や精神科病床の確保が前提となるので実施までには、多くの課題があると認識していると答弁しました。
川崎市は来年度から3年間の障害福祉計画を策定しますが、精神障害の方への対策の基本は「長期入院患者の地域移行の促進」といいます。そうであるならなおさら、改正精神保健福祉法で言っている「地域生活を支えるための精神医療への改革の実現にむけ」と言っている改革の中に、精神科救急医療と他科救急の充実と改善が求められると考えます。計画に具体的な取組を盛り込む事を健康福祉局長に要望しました。
また病院局長には、実施までに多くの課題があるとの答弁でしたが、公的病院として、まずはどちらか1病院からでも課題を克服して機能を付加する事を要望しました