全国的に痛ましい児童虐待のニュースがあとをたちません。
川崎市の2013年度の児童虐待相談・通告件数は、児童相談所が1576件(昨年比399件、27,4%増)、昨年度から保健福祉センターにおいても集計されるようになり、365件で,合計すると1941件でした。
◆専門職種の増員による相談支援の充実と連携がはかられたか
これまで私は、児童相談所、区役所保健福祉センターにおける児童虐待の相談、支援は原則的に複数で対応すべきであり、そのための専門職種の増員ならびに体制の強化,両機関の連携強化を求めてきましたが、2013年度より児童相談所に保健師が配置され、保健福祉センター児童家庭課に社会福祉職と心理職が配置され、それぞれ支援と関係機関との連携がはかられてきました。
虐待を見落とさないためには、虐待を受けているこどもなど、要保護児童の早期発見や適切な保護のため、関係機関が情報や考え方を共有し連携して対応する役割をもつ「要保護児童対策地域協議会」の果たす役割は大変大きいと私は考えています。
こども本部長は、「要保護児童対策地域協議会により、児童相談所及び各区児童家庭課が担当する要保護児童等のケース管理について、情報の共有に努めている。」
要保護児童対策地域協議会の連携調整部会を各区、毎月開催
「具体的には,各区において,毎月、連携調整部会を開催し、定期的に進行管理を行うとともに、個別的な支援を必要とするケースに対しては、個別支援会議を適宜開催し、具体的な支援方針を検討するなど協議、調整を行っている」と答弁しました。
◆児童相談所の地区担当職員の平均担当ケース数99ケースにも。
地区担当職員の増員を!
一方で、平成26年6月1日の地区担当職員の平均担当ケース数はこども家庭センター南部児童相談課は99ケース、中部児童相談所は110ケース、北部児童相談所は82ケースで全市平均すると99ケースにものぼります。2年前の6月時は82ケースでしたから,担当ケースが17ケースも増えています。地区担当職員は、担当ケースの継続的な相談に並行して新規ケースへの初期対応や緊急対応、リスクの高いケースへの対応や件数の増加と内容の複雑化、多様化から、担当ケースを減らすために増員すべきと質問しました。
「関係局と協議検討し、必要な対応をはかる」と答弁
○ こども本部長は、「現在、子ども本部内において、児童相談所の業務の課題を明らかにするとともに、法令等にもとづく相談援助を適切に実施できる体制等について、協議、検討を行っている。今後検討結果を踏まえ、関係局と協議調整を行った上、必要な対応を図って参ります」との答弁がありました。私は、人員増を含めた体制の強化を要望しました。
◆配偶者暴力の増加による心理的虐待が急増、
DV被害者への夜間休日の相談体制を!
児童相談所の相談件数1576件中,心理的虐待が890件で最も多く、全体の56,5%を占め、2010年度432件の実に2倍以上になっています。
その原因は子どもの面前での配偶者暴力の増加によるものであるとの答弁を受けて、川崎市には夜間休日の緊急なDV被害の相談窓口がない事から、横浜市のような配偶者暴力支援センターを設置すべきと質問しました。
○ こども本部長は「他都市の状況等や関係機関の取組等を踏まえ、調査研究を進める」と答弁。私はDV被害は命に関わる状況や子どもの心理に計り知れない傷をもたらす。夜間であれば明日を待ってというわけにはいかない深刻な事態もある。調査研究という、前回、2012年9月議会と同じ答弁ではなく,設置に向けて検討すべきと強く要望しました。
◆0歳から3歳未満の虐待が増加、
産後の育児不安の軽減はかる産後ケア事業10月開始にむけて
共産党の代表質問や私のくり返しの質問で、産後ケア事業の大切さを訴えてきましたが今年10月に開始されます。
○こども本部長は、「出産間もない母親は心身ともに疲労しやすくこの時期に適切なケアを行う事がその後の育児不安を解消する上で大変重要であると考える。現在、10月実施に向けて、他都市の取組状況や産後ケアを既に実施している助産所等の状況調査を行い、サービス内容や自己負担額の設定など、具体的な事業内容について、調整している」と答弁しました。