議会活動報告

市立川崎病院の地域周産期母子医療センターと精神科救急外来について 決算審査分科会(病院局)で質問しましたーその5

2015年10月1日

29日午後、病院局の2,014年度決算の審査をしました。

はじめに、川崎病院の地域周産期母子医療センターについてです。

○質問1:石田;地域周産期母子医療センターのNICU等について

市立川崎病院における地域周産期母子医療センターは、新生児集中治療管理室―NICUを6ベッド、 新生児治療回復室―GCUを18床所有しています。それぞれ平成26年度の入院延患者数及び稼働率を伺います。実績について見解を伺います。

答弁:NICUGCUの平成26年度稼動実績等についてのご質問でございますが、

NICU につきましては、入院延患者数が2,064人で稼働率が94,2%、また、GCUにつきましては、入院延患者数が2,592人で、稼働率が39,5%となっております。GCU の稼働率が低くなっておりますが、これは、市内の重症な新生児を受入れられるため、平成26年3月に13床から18床に増床したことが理由でございまして、年間を通して、ほとんどの時期は、増床前の13床でほぼ運用可能な状況でございます。参考までに、病床数を13床として計算をしますと、稼働率は54,6%で、増床前と同程度の稼動を実施しているところでございます。

次に、実績についての見解でございますが、市内の他の周産期母子医療センターとほぼ同程度の病床稼動であると伺っておりますので、周産期救急医療システムにおける中核病院としての役割は、一定程度果たせているものと考えているところでございます。

質問2:石田;今後増床についての取組みは?

NICUの稼働率が94,2%とたいへん高いことがわかりました。神奈川県が平成23年に策定した「神奈川県周産期医療体制整備計画」では、出生1万人当たりNICU・28床の整備を目標としていることから、本市は必要数を28床から31床としています。本市は平成22年度にはNICUを24床まで整備し現在までいたっています。ハイリスク出産への体制が十分整備されることで市内の分娩をになう医療機関、診療所、助産所等の分娩の安心に直結します。今後増設について、健康福祉局と協議をすべきと考えますが伺います。

答弁:NICU の増設についてのご質問でございますが

川崎病院のNICU につきましては、平成11年1月に5床を整備したのが始まりでございますが、当時は医師の確保等が十分に進まなかったことなどから、2年後に運用を休止し、その後、平成21年4月に1床増床し、6床での運用を再開した経緯がございます。NICUの運用にあたりましては、小児科や産科の医師に加え、小児外科、眼科、麻酔科など新生児医療に係る広範囲の専門医や多数の看護職員を安定的に確保する必要があり、また、現在の病棟では、NICUを増床するだけのスペースの確保ができないことから、物理的、人的にも、現時点におきましては、NICU の増床は困難であると考えられております。

しかしながら、市内のNICU病床が不足していることは承知しておりますので、関係局と協議を継続してまいります。

○質問3:石田;川崎病院における精神科救急の受入について伺います

川崎病院における月別患者数をみると、精神科の年間外来患者延数23,642人、入院患者延数は9,582人です。

川崎病院は、精神科救急の県内4県市協調による基幹病院に指定されていますが、夜間、土日、休日の受け入れ状況について及び担う体制の確保ができているか伺います。また課題について伺います。3次及び2次救急の受け入れ患者数を伺います。

又、身近な病院として一次救急の受け入れについても伺います。

答弁;川崎病院における精神科救急についてのご質問でございますが、

川崎病院は、精神科救急における基幹病院となっておりますことから、夜間、土日、休日における「警察官通報等による措置入院などの3次救急患者」や「医療保護入院などの2次救急患者」の受入をになう病院となっているところでございます。しかしながら、十分な確保ができていないことから、現状といたしましては、火曜日の夜間に限りまして、3次、2次の精神科救急患者さんを受け入れているところでございます。

次に課題でございますが、精神科救急における基幹病院としての役割を適切に果たすためには、医師をはじめとする医療従事者の確保、とりわけ精神保健指定医の資格を有する精神科医の確保が必要と考えているところでございますので、関係局とも連携を図りながら、引き続き、その確保に向け取り組んでまいります。

次に精神科救急患者の受入数についてでございますが、

平成26年度につきましては、3次救急の措置入院となった方は19人、2次救急の医療保護入院となった方は、172人でございまして、このうち、神奈川県、横浜市、相模原市との4県市協調体制の中で「精神科救急医療情報窓口」を通じて受け入れた患者につきましては、3次が19人、2次が6人でございました。また、精神科の救急外来、いわゆる一次救急につきましては、川崎病院は基幹病院として3次と2次の救急患者を受け入れる役割がありますことから、原則として一次救急患者への対応を行っておりません。

○質問4:石田;精神保健指定医を確保して受け入れ態勢の強化を!

他科救急患者の受入状況は?

本来、夜間と土日・休日の3次,2次救急を果たすところ、現状としては火曜日の夜間だけになっているとのことです。基幹病院の役割を果たすためには、とりわけ精神保健指定医の資格を有する精神科医の確保が必要となっているとのことです。関係局とも連携を図りながら引き続き取り組むとのことですが、猶予できないと思います。庁内で検討委員会を設けるとか、市内医療機関との連携を図る検討会議を設けるなどが必要と考えますが伺います。

精神に障害のある方が他科の救急の際、受け入れ態勢が厳しいという声も御家族やグループホームの支援員から伺っています。川崎病院での受入状況を伺います。

答弁:精神科救急受入態勢の確保等についてのご質問でございますが、

はじめに、精神科救急受入態勢の確保にむけた関係局との連携についてでございますが、昨年10月に、本市における精神科救急医療体制のより一層の充実を図ることを目的に、当該事業の所管局である健康福祉局と病院局、消防局の関係課によって構成される「川崎市精神科救急医療体制整備庁内検討会」が設置され、川﨑病院における受け入れ態勢の確保策につきましても、その中で協議をしているところでございます。昨年度は、3回の検討会が開催され、[身近な地域での精神科救急医療体制]などについての課題の共有と整理が行われたところでございまして、具体的な解決策につきましては、今年度開催される同検討会において、協議を進めていくことになっております。

次に精神疾患を有する他科の救急患者の受入状況についてでございますが、川崎病院は精神病床を有する総合病院であり、精神科と他科の医師が連携して治療に当たれること、更には、救急医、精神科医、内科医、看護師、精神保健福祉士などの多職種連携によるチーム医療を提供できることから、基本的には精神疾患を有する他科の救急患者につきましても、区別なく受入を行っているところでございます。

○質問5:石田;火曜日対応だけでなく,担うべき体制の強化を一刻も早く! 最後に病院局長に伺います。

精神科救急受け入れ態勢の確保について、所管局の健康福祉局と病院局、消防局の関係課による庁内検討会が昨年度3回行ったとのこと。今年度、具体的な解決策について協議を進めることになっているとのことです。基幹病院として火曜日対応だけでなく、担うべき体制の強化を一刻も早く図るべきです。精神保健指定医の確保に向けた病院局長の見解と決意含めた対応を伺います。

●答弁:川﨑病院における精神保健指定の確保等についてのご質問でございますが、

川﨑病院につきましては、4県市協調体制における基幹病院として、3次、2次の精神科救急患者を受け入れる事、また、精神病床を有する総合病院として、精神疾患を有する他科救急患者を受け入れることが求められています。

このうち、他科救急患者につきましては、救急科など他の診療かの医師、看護師等と連携し,受け入れ態勢を確保しているところでございますが、3次2次の精神科救急患者につきましては、精神保健指定医の不足などから、十分な受け入れ態勢が確保できておらず、早急に解決すべき問題のひとつとして認識しているところでございます。また、今年度に入りましてからは、聖マリアンナ医科大学病院における精神保健指定医の取消し処分に伴い、市内における精神科救急医療体制のより一層の強化が求められておりますので、これまで以上に関係局との連携を図るとともに、関係団体にも、今後、協議をさせていただきながら、精神保健指定医をはじめとする医療従事者の確保などに取り組んでまいります。

○意見要望:石田:聖マリアンナ医科大学病院の精神保健指定医の取消し処分もあって、大変な事態と思います。こういうときだからこそ精神科救急の基幹病院としての役割をしっかり果たすための対策を図ることを求めます。