5日、ヒルズ末長から一路、中原区井田に、新設したばかりの、情緒障害児短期治療施設「川崎こども心理ケアセンターかなで」を訪問し、施設長の高田さんから施設の概要等をお聞きし、中も見せていただきました。ここは、児童福祉法第43条の5に規定された施設です。川崎市が社会福祉法人横浜博萌会に運営を委託しました。
心理的な困難や苦しみを抱え、生活の中で生きづらさを感じている子どもたちに、入所あるいは通所してもらい、治療を行なう施設として整備されました。
情緒障害児施設は50年前に法制化されましたがほとんどつくられて来なかったそうですが、2000年ころから虐待がクローズアップされるようになり、虐待をうけたがために、中には怯えが強い、パニックになる。乱暴になる。集団生活が困難になるこどもがみられるようになり、そうしたこどもに心のケアが大事というニーズから、整備されるようになってきたという説明をしていただきました。児童相談所との連携で入所されるとのことです。
スタッフは、精神科医師3人、心理治療のできる臨床心理士等心理職6人、看護師、最低でも子ども3人に1人の生活指導員か保育士、栄養士、事務員です。小規模ユニットケアでユニット1つ1つに職員をつける体制の為に、市に加配をつけてもらったとのことです。小中学生が2階フロア、高校生のユニットと、幼児のユニットが3階、幼児は全国初の試みとのことです。
そして、これはおおきな特徴ですが、学校に行けない、学校に行ってもうまくやれないお子さんが、主役になることが出来る学級が必要という観点から、施設内に、井田小学校の特別支援教室を設置するとのことです。これは教育委員会の「教育」と児童福祉の「福祉」の観点から話合いを重ね,来年度の開設に向け教育委員会と準備を行なっているとのことです。児童福祉法で、学校が大事で、学級の先生を含め、生活全体に治療が必要と規定されているとのことです。
施設長さんは冒頭、これはおおきな事業で、子どものためお金がかかる事業です。また3年くらいで次の居場所に移ることが出来るようになればと言われましたが、心の苦しさ、生きづらさを感じる、治療が必要なこどもにここで専門的なそして暖かな支援をすることで回復し、児童の人権を守り安心してくらせる生活の為に必要な施設であると強く感じました。