地域において、支援を必要とする人、例えば、足腰が弱っている1人暮らし高齢者で自力で区役所まで行けない方や情報が入っていない、行政ともつながりがない障がいのある方、要保護家庭等支援が必要でも自ら区役所に行けない方への対応について、区役所がまず出向いて訪問し、対応すべきことも健康福祉局長に、求めました。局長は今回の再編で、積極的に地域に出向いて保健・医療・福祉にかかわる相談支援を行なうことを主眼としているので適切に対応して参りたいと答えています。
保健師職の確保について、1地区2人程度、全市で40から50程度の地区数となるということは、保健師が80〜100名程度必要となります。地域包括ケアシステムの地区担当となる保健師職を確保する為に、児童家庭課担当の保健師もあてるという考え方が示されていることについてです。
質問は以下の4点です
①保健福祉センターの「児童家庭課」は、2013年に「係」から「課」に位置づけをあげ、保健師、保育士、心理職、社会福祉職など他職種が協働して児童家庭の専門機能をになう「児童家庭相談サポート」担当を設置しました。
妊婦相談、産前産後の母子支援、乳幼児育児相談、子育て支援、「要保護対策地域協議会」の運営、児童虐待対応などをにない、特に児童虐待対応における児童相談所との連携体制をつくるのに、現場では1年はかかったと聞いています。本市の虐待通告、相談件数は毎年増加の一途です。折角積み上げてきた「児童家庭相談サポート」担当を児童家庭課として残すべきと質問しました。
②新たな公立保育所の人員体制の強化について「こども支援室」も解体され、企画調整担当部門はケアシステムに移行、これまで「新たな公立保育所」がになう、地域の子育て支援、民間保育所への支援、公民保育所への人材育成等の取組を推進、支援してきた運営管理担当、運営支援担当部門は(仮称)子ども未来局に集約される計画とのことです。
これまで私たちは、機能が増大した当該の『新たな公立保育所』に人員を増やすべきと一貫して求めてきました。先の9月議会でこども本部長は「業務内容を組織・機能の充実に向けて関係局と協議する」と答弁しました。来年度以降、新たな公立保育所の体制を強化すべきことを質問しました。
③また、「新たな公立保育所」に、医療的ケアを新たに負荷する方向性を市は示しましたが、新年度、看護師を独立配置すべきと質問しました。
④児童相談所のケースワーカーの人員増について児童虐待に関連して、児童相談所の通告や相談が増え、複雑化するもとで、地区担当のケースワーカーの持ちケースが年々増え、一人当たりの平均担当ケースは2014年度99人から、2015年度118人と増えています。この間、人員増を求めてきましたが、対応を質問しました。
子ども本部長の答弁は
① 地域ケアシステムの推進体制では、保健師を始め、社会福祉職や心理職等の専門職が積極的に地域に出向き民生委員.児童委員等、様々な団体や関係機関と広く連携し、「地域と顔の見える関係」を構築し、地域支援を推進していくもの。従来から児童家庭課で行なっていた支援の実績を踏まえ、さらに地域包括ケアシステムを有効に活用し、関係機関との連携が一層強化することにより、育児不安やハイリスク等、家庭や地域からのSOSを早期に把握し、児童虐待の未然防止や早期対応等、児童家庭相談の充実が図れるものと考える。
② 「新たな公立保育所」の職員配置については、来年度から区役所から(仮称)子ども未来局ヘ移管することに伴い、保育士、栄養士、看護師の専門職が持つノウハウをより一層活かすことが出来る組織・機能の体制整備を進めているところ。
③ 看護師の配置については園児の健康管理のほか、地域の子育て支援、民間保育所等の連携及び公民保育所の人材育成の強化を図る為にも必要と考えている。
④ 今年度、子ども家庭センター及び中部児童相談所に,副所長を設置し、子ども家庭センター及び各児童相談所に、初動体制の強化等を目的に、相談調整担当の社会福祉職を増員するとともに、二子ども家庭センターと中部児童相談所に心理職を増員したところ。一方、児童虐待通告、相談件数が昨年度本市最多件数となるなど、増加している状況もあるので、引続き、体制整備に努めて参りたい。と答弁しました。
再度の質問
①保健師職の確保について、充当の見通し、不足する人数、人員増で確保すべきと考えるが伺う。
②児童家庭課に配置している助産師は、地域の助産院や産婦人科医、産後ケア事業を委託している助産師会との連携や、要支援妊婦さんの相談支援、母子保健の役割から、これまでと同様の配置にすべきではないかと質問。
③職員の意見反映と研修についてケアシステムを推進する上で、大きく業務変更を伴う組織機構が変わる計画なのに、どれだけ職員の意見を把握集約しているのか?
また、職員への周知と研修については12月からの実施となっているが、年度末の仕事が増大する中で、たった4か月間で混乱なくスムーズに移行が進むのか懸念する。市民への周知もされていないなかで、市民サービスが停滞することがあってはならない。市民への周知を含め十分な検討と準備をしてから、少なくても実施を1年先送りすべきと考えるが考えを質問しました。
こども本部長は、②助産師については,妊娠、出産など、女性の健康課題についての知識と支援技術に高い専門性を有し、同じ看護職である地区担当の保健師等と連携して、要支援妊婦等への的確な支援を行なっていくとともに、産婦人科医や助産所等との連携強化に努める等、地域包括ケアシステムの推進体制の中でその専門性をより活用できるよう取組んでまいりたいと答弁しました。
健康福祉局長は、①区役所内の保健師職の再配置を含め、適正な職員配置が行なわれるよう、関係局と調整をおこなっているところ。
③職員の意見集約について、昨年11月から推進体制のあり方等について,丁内に関係部長・関係課長で構成される検討会を設置し、職員を含めた意見集約を行なった他、関係課長会議、係長会議等を通し、逐次情報共有をはかってきた。
区役所の組織再編については、平成30年度までの地域包括ケアシステム構築の土台づくりの重点的な取組と位置づけている。平成28年度には、関係する個別計画の改定作業にむけた実態調査を予定していることから、新たな推進体制により地域づくりにとりくんでまいりたい。
活動マニュアルや研修を通し、職員への周知を進めるとともに、来年1月から,関係機関や団体、市民への広報や説明を進めてまいる。今後につきましても、区役所を始め、関係機関と十分に連携を図りながら、準備を進め、平成28年度から新たな推進体制により「個別支援の強化」と「地域力の向上」に取組んでまいりたいと答弁しました。