今、6人に1人の割合で子どもの貧困が広がっています。中でも1人親世帯の54.6%が貧困という深刻な事態です。ダブルワークで、子どもだけで夜を過ごす家庭、病気などで働けなくなり困窮状態に陥る家庭が増えています。食ベるものがないというSOSに応え食料を提供する市内NPO法人の『フードバンク』を11月に訪問し、代表の方から実態を聞きました。都内では「子ども食堂」が取組まれていますが、貧困が日々の生活を脅かし、子どもの成長にもたらす影響を考えると、自治体としての対策が急がれます。
市として急ぎ対策を、代表質問で質しました。
まずは子どもを育てる生活困窮世帯を生活保護につなげる。就学援助の認定基準を生活保護基準額の現状1.0倍から少なくても1.2倍へ高めるべきです。支給項目についても、体育実技用具、学用品、通学用品、生徒会費、PTA会費等を拡充すべきです。また、前市長が行革の一貫として廃止した、ランドセル支給、文具券等の入学援護、修学旅行の支度金補助、卒業アルバム代補助、めがね支給を復活すべきと求めました。食事の提供や学習支援を行なう子どもの居場所づくりへの支援。生活困窮世帯の学習支援の拡充。明確な担当部署を設置し、実態調査の実施を求めました。
こども本部長は、教育支援、生活支援、保護者の就労支援、経済的支援等総合的に推進するため、(仮称)子ども未来局を中心に、各施策の所管局間の調整の強化を図り、方向性を検討する。実態調査は国の動向を踏まえ検討する。国は、企業や個人等からの寄付金で『子どもの未来応援基金』を創設し食事提供や学習支援を行なうNPO等に対し支援を行なう方針なので国の動向を注視し、効果的な事業展開について研究するとの答弁にとどまりました。国待ちにするのでなく、市の対策を打ち出すべきです。
教育長は、就学援助について家計の急変等特別な理由が認められた場合には認定基準を超えても個別に対応していくと答弁しました。
健康福祉局長は、生活保護世帯の高校進学を支援するため中3対象に学習支援を市内8カ所で実施しているが、利用を希望する中学1、2年生がさらに参加できるよう関係局と連携しながら検討するとの答弁でした。
『子どもの貧困対策推進法』が2014年に施行され「子どもの貧困対策に関する大綱」が策定されたものの、具体策が遅れています。未来を担う子どもたちに広がる貧困にみるべき対策をとらずして、来年度の米軍への『思いやり予算』の政府案が9千400億円というのは、思いやる相手がちがうでしょうと言いたい。