このまちで子育て

「地元で安心安全なお産を求める」請願が主旨採択されました

2010年5月25日

   5月21日の健康福祉委員会で、市内の助産所で出産したお母さんたちが、助産所と医療機関の連携強化などを求めて市議会に提出した『地元で安心安全なお産を求める』請願の審査が行われ、全会一致で主旨採択しました。 

請願の願意は matanity
①市のイニシュアティブで医療機関とお産場所〔助産所〕間の嘱託医療機関の確保、円滑な連携を実現すること ②市独自の周産期医療計画を作成し、地元のお産場所を最大限に活用すること を求めています。

お産場所が減っている実態
川崎市は人口増加が続いているのに分娩を取り扱う医療施設は逆に減少し続けています。
稲田登戸病院、日本鋼管病院、聖マリアンナ医科大学東横病院、社会保険病院等の大きな病院をはじめ、地域の診療所も減少してきました。産科医師の高齢化や医師不足が原因のひとつです。妊娠しても出産する場所がみつからないなんてことはあってはならないことです。

このような現状のなかで、助産所をもっと活用すべきだと主張しました。健康福祉局の資料では、2009年度の市内の出産件数は1万540件で、このうち病院が6780件〔64・3%〕、診療所は3223件(30・6%)、助産所は537件〔5・1%〕で、横浜市2・6%、県内2・5%と比較しても川崎は大きく上回っています。大病院、病院、診療所、助産所がそれぞれの役割をもち連携していくことを市の周産期医療計画にきちんと盛り込むことが必要です。

助産所に嘱託医療機関の確保への行政支援を
医療法の改正に伴い助産所には産科医の嘱託医と提携医療機関の確保が義務つけられましたが、様々な理由で嘱託医を断られる場合もあり、そうなると分娩を中断せざるをえなくなってしまいます。嘱託医の確保にむけて行政が支援をしていくべきです。

川崎市地域保健医療計画に病院と助産所の連携を
市はこの間、川崎市地域保健医療計画の中心課題として、ハイリスク出産等の増加により、ハイリスク出産の母体、新生児を24時間体制で集中治療管理を行う総合周産期母子医療センターを聖マリアンナ医科大学病院に新設しました。周産期救急医療体制を重点にした取り組みを行うことで、母子ともに命を救う妊婦の救急搬送の短縮化を図るとともに、このことが地域でお産を扱う病院、診療所や助産所が安心してお産ができることにつながります。

  横浜市の保健医療プランには、助産所を一般分娩施設と位置づけ嘱託医支援をプランに位置づけています。病院と助産所の連携を支援することが明記されています。

川崎市も、今後、周産期医療体制として、この請願の願意である地元のお産場所、助産所を最大限に活用することを明確に盛り込んでいくことが必要と主張しました。

  • 市の見解は
    ①この間市立川崎病院にN I C Uを6床再開させ、総合周産母  子医療センタ-を新設したことを説明し、産科医師不足が深 刻な中、産科医師が安心して分娩を取り扱うことができる環 境整備を進めることが重要であると考える。

    助産所と病院の連携強化にむけて、行政としてできること をしていきたい。 
     
    市は市内の医師会や看護協会、助産師会などを含む 市総 合周産期医療整備検討会を設置しているが、助産師会の要望があれば助産所と医療機関とをマッチングする会合を適宜 開催していく。
     
    医療機関にアンケートを実施し、嘱託医療機関 にどうしてな れないか、どういう支援 が必要かなどの調査を行い、その結果から施策に反映できる ものがあれば隋事実施する。
    また来年度会計に反映させることも考えると答えました。

お母さんたちのこの間の運動は、命を生み出す母親の底力だと思いました。主旨採択できてよかったと思います。市民の力が市政を動かすことを改めて実感しました。
安心して出産ができる川崎にするため引き続き注視し取りくんでいきます。