議会活動報告

教員の勤務時間の実態を適正に把握し長時間過密労働の改善を!【請願審査】

2017年2月2日

1月26日文教委員会において「教職員の子どもと向き合う時間を確保するため、学校現場における業務等を改善し、多忙な勤務実態解消と労働条件改善を求める請願」及び「教職員の勤務時間の適正な管理を求める請願」他、同趣旨の陳情の審査が行なわれました。

教職員は1971年、公立の義務教育諸学校の教職員の給与等に関する特別措置法を定め、災害時等ごく限られた緊急時を除き教師に残業を命じることを止め、時間外勤務手当、休日勤務手当を支給しないことが決められました。しかし実態は夜遅くまで学校に残り実務や授業の準備を行なうなど時間外が常態化しているとききます。川崎市の学校現場では平成26年度には9名の方が現職死、メンタルヘルスを病んで休職している職員は60名に上っていることも質疑で明らかになりました。

文科省は、2006年に、教職員の健康保持のために、具体的な方法等を示し、勤務時間の適正な把握に努めるようにとの通知を各都道府県、指定都市にだしました。具体的には、使用者は、労働日ごとに始業、終業時刻を確認し記録すること。タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録することとしています。

となりの横浜市では、業務実態を正確に把握するために、平成25年度に5ヶ月間にわたり教職員1万4000人にアンケート調査を実施。勤務日の1日平均の時間外勤務は2時間57分としました。勤務日を月22日とすると1月平均約65時間と想定出来ます。その実態調査を元に長時間労働の縮減の取組が進んでいるときいています。

しかし、川崎市は平成27年度に3ヶ月間、教員の自己申告の【勤務時間記録簿】の集計結果、月平均、小学校は22時間26分、中学校は33時間52分とのことでした。横浜市と比べて川崎の教員の時間外勤務が少ないとは到底思えません。自己申告では、80時間以上になると産業医の面談に行かなければならないというので、80時間以内におさまるようにしている。記入や時間の合計の計算等に手間がかかる等の実態があるとのことです。これでは、時間外勤務の正確な実態把握ができません。こうしたことを指摘しました。

教育次長は出勤、退勤の時間だけの把握だけではなく、業務の内容も把握する必要があると考えると答弁しました。
いずれにしても私は適正な勤務時間の把握を行なうために、平成18年の文科省通知で言っている「使用者は労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとに始業、終業時刻を確認し、これを記録すること」これを遵守すべきと考えるが、どう対応するのかを質問、確認しました。教育次長は、今後自己申告と併用含めてどういう方法にするか検討すると答弁しました。また、実態調査も横浜市のも参考にしてなるべく早く行なうと答弁しました。

来年度から県費負担教職員の政令市移管があります。私たちはこれまでに何度も質問でとりあげましたが、この質疑でも教職員の多忙化や労働条件を改善するには、教職員定数の改善が不可欠であることを意見要望しました。