このまちで子育て

待機児童は1076人、昨年の1・5倍に!

2010年5月29日

今年4月の保育園の待機児童数が発表されました。昨年より363人増えて1076人に。なんと昨年の1・5倍、一昨年の約2倍と、保育園不足はますます深刻です。

認可保育所への入所申請数が、昨年より1648人増えて18、032人に。そのうち入所できたのは定員14、675人のところ超過入所で15、435人でした。

25mamatomo_soft_s97人も認可保育所に入所できなかったのですが、その方がたは、認可外保育施設の認定保育園、おなかま保育室やかわさき保育室、保育ママさんなどを短期間に必至に探し、あずけ先が決まった児童数は引き算され、どこにも入れなかった児童数が待機児童としてカウントされます。

雇用破壊が進み子育て世代の困窮が広がる中、保育所はますますくらしのセーフィティーネットの役割が増しているのに「夫はリストラで失業、働きたいのに入れない」「育休明けまでに保育所が見つからないと仕事に復帰できない」こんな実態がますますひどくなっているのです。

待機児童1076人中、入所選考基準が最も高いAランクでさえ270人が入れませんでした。ましてやこれから仕事を探すEランクの待機は427人にものぼりました。

本来、入所申請する人を選考基準でランクづけて振り落とすのでなく、必要とする人すべてが入所できるよう整備することがどうしても必要です。

07年7月に保育緊急5ヵ年計画が策定されたのちも、毎年待機児童が増加し、昨年は入所申請数が計画より3年も早く到達してしまい、急遽、計画の改訂が行われました。今後3年間の入所申請が毎年1000人ずつ増加すると見込み、毎年1000人、3年間で3千人の定員増を図る見直しを行ないました。その「毎年1000人の拡大」も、国の規制緩和で、園庭がない施設整備計画が多くなっているのも問題です。

共産党市議団は経済状況の厳しさからますます保育ニーズは高まるとして5千人の整備計画が必要と求めましたが、指摘してきたように、改訂初年度で入所申請はoyatu_boy11000人をはるかに超えた1648人にのぼり、待機児童も増えてしまったわけです。

認可保育所の緊急増設のテンポを抜本的に引き上げなければなりません。それには土地の確保が不可欠です。日本共産党の国会質問で『国有地の活用』を求めたのに対し、政府も「前向きに検討する」と答え、5月25日の参院厚生労働委員会では、小池晃議員の「国有財産法では、国有地の購入・貸付は時価で行われ、保育や介護事業では、手が届かない。売却・賃貸の仕組みを検討すべき」と質問し、長妻厚労相は「国民的課題なので、できる限り利用しやすい料金になるよう財政当局に要請したい」と答弁しました。さらに、小池議員が国有地の売却情報の提供について「早い段階での情報提供」を求めたのに対し、向井次長は「指摘を踏まえて検討したい」と答弁しました。

国・県有地の活用をはじめ、市有地の譲渡・貸与方式、民有地に新設する社会福祉法人に、土地の手当てに対する補助方式をつくるなど、思い切った対策を講じ、園庭のある認可保育園を増設することが急務と考えます。同時に待機児の受け皿になっている認可外施設への支援を強め、一定の基準を満たした保育園の認可化や認定化を進めることも必要と思います。

日本共産党は「待機児童問題を解決し、安心して預けられる保育を実現するために」緊急提言をこのほど発表しました。国の責任で当面1年間で10万人分の認可保育所をつくる。保育所建設に必要な予算は国の補助率をあげても1400億円。さらに保育士の正規化、待遇改善など保育条件の向上、保育料の保護者負担軽減のための運営費増額分を合わせて総額で4000億円程度の国の予算を増やします。財源は米軍への思いやり予算を含む米軍経費3369億円など、年間5兆円近い軍事費のごく一部を当てるだけで可能です。

子どもの成長発達を支え、保護者が安心して働くことができ、雇用を支える保育所増設の運動が求められています。子育て世代の収入が増えれば税収も増えます。こうした福祉、地域密着の公共事業で、地元の建設業者の仕事が増え、福祉施設で働く人の雇用がふえ、施設で必要な物品の調達が地元業者に廻るなど、地域経済が活性化します。そうした政治がいまこそ求められているのではないでしょうか。