保育士の確保対策と待遇改善は、認可保育所の増設とともに待機児解消策の重要課題です。3月7日の予算審査特別委員会でこの問題をとりあげました。
①【石田質問】 (国の加算と市の加算でいくら待遇改善されたか)
保育士不足の最大の原因は賃金の低さであり、専門職にふさわしい待遇が必要です.共産党市議団は、昨年の6月議会で、国に対し、全産業平均並みの賃金を保障する公定価格の設定と勤続11年以上は見込まれていない昇級財源の確保を要望し、国の処遇改善の上に本市の独自加算を求めました。
2015年度と16年度の国の加算額と市の単独加算について.
一人当たり月額いくら給与改善されたのか? 質問しました。
【子ども未来局長の答弁】
2015年度は国が9600円のうえに市が7,500円上乗せし月額平均17,100円の待遇改善を図った.2016年度の市の加算は前年度比2000円程度の増額となり月額19,000の待遇改善となった。
②【石田質問】(新年度の新たな処遇改善は?)
2017年度の待遇改善は国がキャリアアップ・処遇改善の仕組みを創設しました。
* 全ての職員に2%・月額6000円程度の改善を行う事、
新しく創設する県のキャリアアップ研修を受ける事を条件に
* 保育士の概ね3分の1を対象に、経験年数が概ね7年以上の技能、経験を
積んだ副主任保育士・専門リーダーに対し、月4万円を加算する.
* 標準規模の園で3人程を対象に、経験年数が概ね3年以上の職務分野別
リーダーに月額5千円の追加的な処遇改善を実施するとしています。
ア、これら加算はキャリアパスに参加する保育所に公定価格を加算する仕組か?
イ、研修に中堅職員を複数研修に送りだすがその保障はあるのか?
ウ、保育所に加算される4万円等は、当該職員以外にも配分可能なのか?
質問しました。
【子ども未来局長の答弁】
ア、の答弁・この2%は、研修の実施などキャリアパス要件が条件となる
イ、の答弁・研修受講者の代替保育士の雇用費を保育士一人あたり年二日間から 3日間へ拡充される
ウ、の答弁・加算の4万円はその対象者の1/2職員に4万円の拡大を実施したうえで保育所の判断で、園長を除く技能・経験を有するその他の職員で配分されることとしているが、現時点では、国から詳細が示されていない。 と答弁しました。
【石田・意見要望】来年度の処遇改善の要望
来年度の処遇改善ですが、同程度のキャリアを持ちながら職員間で格差が生じるのではないか、また退職すると加算がなくなる等を考えると安定的な処遇改善とは言えないという声も聞いています。公費を確実に給与改善に使うためのルールづくりと合わせ、全ての保育所職員、保育士を対象とした処遇改善加算を国に求めるとともに、市の加算の引上げを求めました。
③【石田質問】 (保育士宿舎借上げ支援事業について)
新年度から、対象を拡大し、期間も新規採用後5年以内から10年以内に延長されます。また、新たに市は単独事業として川崎認定保育園も対象とします。
ア、2016年度から実施しましたが、2016年度の利用法人と利用人数のみ込み?
イ、2017年度の利用法人と利用人数の見込みは?
ウ、川崎認定保育園の想定補助件数は?
【子ども未来局長の答弁】
ア、の答弁・今年度の利用法人は59法人、利用者は340人の見込み
イ、の答弁・来年度の法人数は予測が難しいが利用者は約950人を見込んでいる。
ウ、の答弁・約80人を見込んでいる と答弁しました。
【石田・意見要望】
利用しているのは59法人との事ですが、法人全体の約50%強とのことです。どの法人も利用しやすい制度のなるよう丁寧な説明と周知をお願いします。
④【石田質問】 (人材確保対策について)
市は国の制度を活用しながらさまざまな確保対策を実施しています。
ア、今年度、市が行なった就職相談会の回数と参加者、訪問保育園数は?
イ、民間保育所見学バスツアーの回数と参加者、訪問保育園数は?
ウ、就職に結びついた実績と新年度の取組は?
【子ども未来局長の答弁】
ア、の答弁・これまで12回開催、延べ417法人の運営事業者が参加し、約1,000人の学生や潜在保育士等が来場した。
イ、の答弁・宿泊型研修も含め今年度8回開催し106人が参加し、50園を訪問した.いずれも昨年度の倍増となる見込み。
ウ、の答弁・取組の成果はしっかり検証していきたい.新年度は、保育士養成施設との連携に多くの利点が見込まれるので、養成施設への働きかけを強化するとともに。効果的な広報を行ないながら確保対策を推進したい
〈質問を終えて〉
保育士の賃金は、全産業平均と比べ月10万円ほど低いと言われています。川崎市は国の事業を活用し、処遇改善加算の引上げや宿舎借り上げ支援事業等を実施していますが、まだまだ不十分でとてもこの差を縮小するものとなっていません。専門職にふさわしい処遇改善にすべきです。待機児解消には認可保育園の増設が不可欠ですが、同時に保育士不足を解消し、経験を積んだ保育士の確保のためには更なる処遇改善が必要です。引続き取組んでいきます。