3月16日、予算議会最終日、私たち議員団はこの間、全員で討議と原稿の推敲を重ね、予算の組替えの提案、市政全般についてと反対議案等の理由を述べる代表討論、意見書の提案説明など、それぞれ登壇者を分担して奮闘しました。
2018年度予算の組替え動議
緊急切実な市民要求を実現するために議案提案権を行使して、財源を示して90億円規模の「予算の組替え」を佐野議員が提案しました。小児医療費の通院助成を中学3年生まで拡充し所得制限を撤廃するほか、介護保険料を値上げしないで据え置きにする。認可保育園や特養ホームの緊急増設、介護施設の人材確保へ補助、住宅リフォーム助成の創設、少人数学級の拡大など財源を示して提案しました。お金の使い方を変えれば切実な市民の願いを実現する予算はしっかり確保できるのです。
あと、市は今議会で、競輪競馬基金から3000万円、市民からの寄付500万円を充てる「こども若者応援基金」条例を提案、児童養護施設入所児童の学習支援補助、退所したあと進学する場合の奨学金で支援する制度を提案しました。私たちは、本来、どの子も平等に養護されなければならない。だれもが平等に教育を受ける権利を有すると考え、これらは市が公的に支えるべき重要な施策で、競輪競馬の収益をあてたりすべきではないと反対しました。そして、予算の組替えのなかに位置づけました。この基金条例については、私の行った代表討論で反対の理由を述べています。市議団のホームページで、予算組替え提案と代表討論の全文をアップしていますので、是非、ごらんください。
市長の施政方針と予算案を含めた諸議案について代表討論にたちました 〈予算の特徴と財政状況について〉
代表質問で、予算の特徴と財政状況の質疑をとうし明らかになったことを討論で述べました。全文は市議団のホームページをご覧下さい。
市税収入は5年連続で過去最大、市の減債基金残高=ため込み貯金は2018年度末には2305億円に、市民1人あたりで政令市平均の1,8倍にもため込み、財政力指数は政令市1位であり、川崎市は政令市トップの豊かな財政状況である事を明らかにしました。
市長が厳しい財政という根拠は「収支不足」=196億円を減債基金(将来の市の借金返済に備えて積み立てている基金)から借り入れたからという理由だけでした.しかし、市はこの間、減債基金に、借り入れ額よりはるかに多い積み立てをしてきました。2017年は185億円の収支不足としていますが、一方で減債基金に243億円も積み増しをしており、この積み増し分を収支不足に充てれば収支不足にはなりません。逆に58億円のプラスになります。このように、はじめから過大な減債基金の積立額を減らして予算を組めば収支不足にはならず、借り入れも必要ありません。
また、自分の貯金からおろしたお金を、あたかも金融機関から借りたお金のように言うのはおかしな理屈です。この事を指摘すると市長は、こうしたやり方をしなければ「予算上、収支不足が明らかにされず・・・予算規模を増大させる」と答弁しました。「収支不足」に見せかけて市民要求を押さえ込み、大規模事業をすすめる財源確保が目的です。これは、市民には要求実現を諦めさせ、不要不急の大規模事業の財源確保のためではないかと主張し、市民要求を抑えるための見せかけの収支不足を演出する手法はやめるべきと討論で強く求めました。
なお、不要不急な大規模事業への予算は大幅に増えています.市民にとって必要のない臨港道路東扇島水江町線整備に約2,5億円、東扇島掘込め部土地造成事業に約66,5億円など国際債コンテナ戦略港湾関連で約111,4億円、羽田連絡道路整備事業に約57,4億円など臨海部の戦略的な産業集積と基盤整備で約57,4億円といった多額な予算が計上されています。
意見書7本、決議1本の採決について
●各会派の態度が別れた意見書について
生活保護基準の引き下げに反対する意見書について、提出は共産党で、大庭裕子議員が提案説明を行いました。大変残念ですが、賛成は共産党と無所属議員2名のみで賛成少数で否決されました。
消費税の増税中止を求める意見書について、提出は共産党と無所属の三宅隆介議員です。提出者を代表して、三宅議員が提案説明にたちました。賛成は共産党と三宅議員のみで否決されました。大変残念です。
家庭教育支援法の制定を求める意見書に反対討論を行いました。
この意見書は自民党と公明党が提出しました。共産党は反対討論に片柳議員がたちました。私たちは、この法律案はあるべき家庭の姿、「親学」を具体的に提唱し,そのあるべき姿に応じた子育てを保護者に求めるもので、家庭への国家の介入というべきものと考えます。特定の家族像を国が望ましいとして設定する事はその家族像に当てはまらない多様な個人の生き方を否定することにつながり、家族における個人の尊厳と両性の本質的平等を規定する憲法24条に反するものであると主張しました。採決の結果、自民、公明の提出した意見書に、反対は共産党、民進みらい、無所属議員4人でした.なお、この3本についても市議団のホームページに全文掲載しています。
待機児童の解消を求める意見書について賛成が共産党、民進みらい、無所属議員5人でした。残念な事に賛成少数で否決されました。
●各会派共同で3本の意見書と1本の決議が可決しました。
性犯罪等被害者への支援の拡充を求める意見書、子育て世代への支援拡充を求める意見書、洪水防止等のための中小河川の河道掘削に関する意見書が総員起立で可決、ヘイトスピーチの根絶に関する決議が無所属議員ひとりが退上後、総員起立で可決しました。
2月13日から、約1ヶ月間の予算議会が終了しました。