― 一般質問報告その2 ―
昨日に続き一般質問の報告の続きです
2 精神科救急医療体制についてです
精神疾患を持つ方が夜間や休日などに急に症状が悪化した場合の救急医療体制と他科救急における対応について改善の要望が寄せられ,救急体制の実態と課題を明らかにし、対策を健康福祉局長と消防局長に質問しました。
●「受け入れ病院が少ないのが課題」と両局長答弁
健康福祉局長は、「精神科救急医療体制は、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市の4県市協調のシステムで行われていますが、課題として、受け入れ医療機関の数が少なく確保ベッド数においても不足している状況なので、必ずしも身近な医療機関を紹介できないことがある」と答えました。
消防局長も、「救急搬送の課題として、精神科医療機関が少ないことから、搬送先医療機関がなかなか決まらず、救急車の現場滞在時間が長時間になることや、搬送先医療機関が市外の遠方の場合には、長時間を要することなどが課題」と答弁しました。
健康福祉局も消防局も共通している課題が、受け入れ医療機関の数が少なく確保ベッドが不足していることです。ご家族から救急搬送時に「受けてくれる病院が無いといわれる」と言う声を聞きます。現在、市の基幹病院である川崎病院は、救急ベッドを2床もっていますが、私は、第3次かわさきノーマライゼーションプランでは、「更なる基幹病院の整備を検討するといっているが、両局の課題解決のために早急に整備すべき」とその取り組みを質問しました。
●「川崎病院の受け入れ体制の強化を最優先に考え協議中」と答弁
健康福祉局長は、「H21年度には川崎病院を補完するため、準基幹病院を2病院増やした。新たな基幹病院の整備は、基幹病院の基準を満たす医療機関が聖マリアンナ医科大学病院のみとなっていることから、川崎病院の受け入れ体制の強化を最優先に考え、現在、関係局と協議を進めているところです」と答弁。
●他科救急について「市医師会へ協力をお願いしている」と答弁
精神障害のかたが、内科や外科など他の科を救急要請する時の市内医療機関への理解促進の取り組みと体制の整備について、私が昨年の6月議会で質問した時に「病院協会はじめ医師会等へ働きかける」との答弁でしたので、その後の取り組みを質問しました。
健康福祉局長は「市内救急告示医療機関や、市医師会へ協力をお願いしているところで、今後もより一層の充実に向け、努めていく」と答弁しました。
●消防局長に要望
さらに消防局長に、指令センターは、救急車の出動要請を受けたとき、家族が「自傷他害のおそれが無く、警察官をよぶまでのことはない」と言えば、まずは、通常のように救急車を出動すべきであり、配慮すべきだと要望しました。
3 重度障害者の訪問看護体制について質問しました
昨年12月議会において、頚椎損傷で4肢麻痺の重度障害の方の事例から、土日等の訪問看護の供給体制がどうなっているのかの質問に対し、市は認可する神奈川県に聞かないとわからない状況でした。市は私の求めた実態調査を行うと約束しましたので、その結果と課題、人材確保等に対する市の支援について質問しました。
健康福祉局長は今年1月に調査を実施し、市内37箇所の訪問看護事業所のうち32箇所が障害者への土日・夜間の訪問看護を実施しているとの回答があったと答えましたが、調査結果の資料によると、例えば土曜日で言えば、日常的に実施は3か所、状況によって実施は8ヵ所でなかなか対応は厳しいのです。
また局長は「近年、施設医療から在宅医療への転換が促進され、在宅医療を支える訪問看護への期待は大きい」と答え、課題として、「県の行った調査によれば、職員の不足や、医療依存度の高い患者の看護を行う職員の技術の問題や、心身のストレスが大きいといった課題がある。市としても従事者の確保と技術・能力の向上が課題であると認識している」と答えました。
私は人材確保策として事業所への夜間・土日・祝日対応への加算を設けられないか質問しましたが、サ-ビス事業のひとつなので難しいと言う答弁でした。
また市の訪問看護体制の充実に向けて、前回答弁した神奈川県訪問看護推進協議会や川崎市ナーシングセンターと連携し課題解決を進めるには、責任を持つ課を決めるべきと質したのに対し、局長は訪問看護を必要とするかたは、医療・障害・介護と多岐にわたるので、それぞれの担当課において連携を図りサービスの利用が円滑に行われるよう努めていくと答えました。
行政は縦割りでも、現場は同じ事業所が担っているのです。それぞれの課が連携をしつつも、訪問看護全体に責任を持つ課を設けるべきと思います。市として訪問看護事業所への支援を行い、人材不足を解消し、市民が安心して在宅医療をうけることができる体制の整備にもっと力をいれるべきと思います。引き続きとりあげていきたいと思います。