2007,10,30, Tuesday
(07年10月28日)
10月23日、健康福祉委員会で全国でも屈指といわれる鹿児島市立病院の新生児センターを視察しました。昭和51年の「山下家の五つ子」誕生を契機として母子救急医療、周産期医療に24時間体制で取り組んできたこの病院では、ハイリスクの妊娠や分娩に対応してくるなかで、かつて日本で最も高かった鹿児島県の新生児死亡率が、平成7年度は最も低い死亡率へと改善されたとのことでした。
川崎の3倍のNICU・36床と、後方ベッド44床を整備
近年増加している未熟児の出生に対応するため、平成12年度には新生児集中治療管理室(NICU)を12床から32床に増床し、平成18年度にはNICUを4床増床して36床となり、後方ベッド44床をあわせると合計80床を有する全国の公的病院の新生児病棟では日本一の規模となったとのことです。鹿児島県下で唯一の新生児センターとして県内のほか、熊本県や宮崎県からも患者受け入れしているとのことでした。
「受入れ拒否はしない」
受入れ拒否はしたことがありません」と院長先生は胸をはっておられました。充実した周産期医療センターがあることで、市内の産院が安心して開業していられるので、産婦人科医院が減っていないとのことで、このことが、キーポイントだと思いました。
川崎では・・・
新生児集中治療管理室(NICU)は現在12床(聖マリアンナ医科大学病院で9床、日本医科大学武蔵小杉病院で3床で合計12床)です。
後方病床は24床(聖マリアンナ医大病院では14床、日本医科大武蔵小杉病院で10床)です。産科・産婦人科の廃院や産婦人科医師数も年々減少しています。
私は9月議会でとりあげましたが、現在、「川崎市総合周産期医療整備検討会」が周産期母子医療センターの整備に向けて検討中ですが、必要とするベッド数はNICUは30床、母体・胎児集中管理治療室は20床としているとのことでしたが、川崎で一刻も早く充実した周産期母子医療センターの整備が必要と改めてつよく思いました
新生児センター内をみせていただきました。
1000グラム前後のあかちゃんが、保育器のなかで一生懸命生きようとし、医療スタッフの方々の懸命な姿に命の重さと未来を感じました。
公的病院では初めてという先天的な異常や合併症により療育期間が長期にわたる乳幼児のための「発達支援集中治療室」では、看護師さんがお子さんの手を握りながら、やさしく語りかけを続けておられたのが印象的でした。
安心して子どもを産める社会へー対策は待ったなしです。27日、お産が危ない、産科医不足深刻の報道がありました。「受け入れたくても設備やスタッフがなく手がまわらない」-消防庁と厚労省が初めてまとめた「妊婦搬送調査」は日本の救急搬送の現場の厳しい実態を示しています。安心して子どもを産める社会へー対策は待ったなしです。