このまちレポート

特定健診・がん検診の自己負担額は現行のまま実施を

2008年3月22日

2008,03,22, Saturday

3月14日の健康福祉委員会で、平成20年度から大きく変わる特定健診、がん検診の自己負担額について、「市民のいのちと健康を守るためにだれもが受けやすい健康診断費用にすることに関する請願」の審査が行われましたので報告します。共産党市議団は、3月4日の代表質問でも「検診料の大幅値上げは受診率の低下を招くことになり、検診本来の目的を果たせない。現行どおりにすべき」と主張しました。

特定検診について、従来と違う点は

【健診項目】

・聴力検査などがなくなり、貧血検査、心電図検査、眼底検査はこれまでは医師の裁量で実施されましたが、新しい制度は、血糖値,脂質、血圧の国の基準値にすべてが該当し、医師が必要と判断する場合にという対象者の限定が行なわれることです。


【自己負担額が増えます】

・ 40歳から64歳の方は現行500円が1200円になります
・ 非課税世帯は 現行無料から 400円になります

【目標を達成しないとペナルティーが課せられます】

現在の健診の受診率は、平成18年度で34・8%。毎年1%ずつしか上昇していません。これを平成24年度までに特定検診受診率65%、特定保健指導実施率45%、メタボ減少率10%(08年度比)をめざすとしています。
問題は、この目標が達成できない時は、平成25年度分の後期高齢者支援金として約15億円以内の負担が、国保組合に課せられるということです。

私が主張したこと

委員会では、私は以上のことを、明らかにしながら、「現在35%の受診率を、自己負担額を値上げして、どうやって65%にあげることができるのか」「自己負担額を値上げすべきでない」「達成できなければ、ペナルティーが課せられる、誰が責任をとるのか、結局国保料の値上げに跳ね返り、市民にしわ寄せがかかってくるではないか」と主張しました。局長は『検診の周知を充分に行い、受診の動機付けをがんばることで、受診率をたかめていく』と答えました。
受診率をたかめるには制度の内容の説明が必要です。具体的な実施は6月頃からですから、市民への説明会を4,5月で行なうこと、市民から説明会の要請があれば積極的に応えること、新たな検診制度について、特定保健指導の半年後の評価時点で中間まとめと総括することを強く求めました。
がん検診も自己負担額が増えます (平成17年度国保受診率)

肺がん検診は 現行 300円から1200円に。 (1・2%)
大腸がん検診は現行 200円から 800円に (1・5%)
胃がん検診は 現行1400円から2600円に (9・2%)
子宮がん検診は現行1200円から1800円に (10・1%)
乳がん検診は 現行1500円から1400円に (6・6%)

65歳以上は無料でしたが、70歳以上に年齢引き上げ。

がん検診の市民の受診率の目標は平成23年度までに50%を目指すとしています。現在の国保加入者の受診率は上記のように大変低いものです。担当課長は「医療機関でも受診できるようにするので便利になり受診率は上がると考える」と答えました。

目標の50%は健康保険組合などの受診率を含めた目標ですが、それでも自己負担額を上げては、こんなに高い目標の達成は困難きわまるのではないでしょうか。

特定検診、特定保健指導、がん検診の新制度の内容が、市政だよりに掲載されましたが、自己負担増については、掲載されていませんでした。またパブリックコメントが前日の3月13日まで行われましたが、106通のうち反対が9割、賛成が1割とのことでした。寄せられた意見をただ聞き置くだけの意見反映では困ります。見直しに生かすべきです。

「早期発見のために、検診の自己負担額は、これまでどおり」を求めた請願に共産党は「採択」を主張しましたが、自民、民主、公明は、不採択を主張し、採決の結果、委員会では不採択とされました。