2008,04,19, Saturday
吹田市の学童保育は
吹田市の学童保育は、公設公営で市内36小学校の全ての小学校内に設置、定員90名以内〈2クラス〉で運営され、指導員は非常勤職員と臨時職員で構成され、在籍児童数によって、配置指導員数と教室数が定められています。
月曜日から金曜日まで、下校時から午後5時まで〈午前8時半からの時も〉、学校の余裕教室やその他プレハブや下足ホールを改築した専用室で行なっているとのことです。
待機児が発生したところでは、定員を超えて受け入れ、100名を超えた4学校では、指導員を特別配置し、3クラスでの運営を実施しており、生活の場所として学童保育の位置づけが実に明確です。
全児童対策は
一方で、文部科学省の「新子どもプラン」策定の翌年2003年から、地域教育協議会が主体となり「太陽の広場」がスタートし、現在33校で地域ボランテイア(有償・無償)=フレンドさん、学習アドバイザーの協力で実施されています。地域の学校長(キャプテンと呼ぶそうです。非常勤職員で元校長先生)を配置し、市が直接責任を負う事業です。
最初は水曜日の放課後1日から実施、07年度から週3日~5日実施の3校が「拡充実施モデル事業」を行い、その検証と今後の拡充にむけ、フレンドさんの確保が可能かも含め検討を行なっていくとのことでした。
吹田市の総合計画で、二つの事業の「連携強化」が明記されています
実に明快なのは、市の総合計画で、「太陽の広場事業と学童保育事業の連携を一層強める」とされていることです。行政が主催で月に1度、学校長、教頭、双方のスタッフ、キャプテンで連絡会を開き、情報交換等を行なっているのです。
今回の視察では、行政のほか、学童保育指導員組合の指導員さんからお話を伺いました。指導員として、子どもプラザ事業を支えていく、そして連携していくと言う方針をもって、地域協議会と協力し合い、地域と連携を強める取り組みを行いながら、学童保育を守り実施してきたということでした。学童保育が「家庭」なら「太陽の広場」が地域の子どもやクラスの子と遊べる場所になるんだということを、指導員で確認しあったそうです。
市立山田第2小学校の学童保育と太陽の広場をみせていただきました。
ここは3月5日の朝日新聞にとりあげられた学校です。太陽の広場では、熱心に宿題をしている子と校庭で遊ぶ子がいました。学童保育では、「だるまさんがころんだ」と「火水木」=ひみずきと言う遊びが展開されていました。校庭で遊ぶ時は、学童保育と太陽の広場のお子さんたちが一緒に遊ぶんだそうです。学童保育のお部屋も見せていただきましたが、こどもの生活の匂いがして落ち着きます。畳敷きの懐かしい、忘れていた匂いでした。
本当の「わけへだてなく」とは
川崎は「わけへだてなく」ということばで、学童保育をなくし、わくわくプラザに統合してしまいましたが、目的がちがう二つの事業を並立しながら、しっかり連携していくことこそ、「わけへだてなく」といえるんだと思いました。
吹田市を視察し、児童のそれぞれおかれた立場を保障することが、本当のわけへだてなくだと思いました。
川崎の自主学童保育は
市内では、今、大規模なわくわくプラザの周辺に12箇所の自主学童保育ががんばっています。希望者も増えていると聞いています。しかし、公的補助がないために、月2万5千円前後の負担ということで、存続と指導員の確保に苦労しているとのことです。市が、自主学童保育を国へ申請すれば、国庫補助が受けられるのに、市は拒んでいます。拒む正当な理由はないのですから申請すべきです。
わくわくの充実と学童保育復活を
私たちは、この間一貫して全児童対策と学童保育、二つの事業を並行させることが必要という立場をとり、学童保育の存続とわくわくプラザの充実を主張し取り組んできました。
児童数の多い狭隘なわくわくプラザの対策を求めてきましたが、平成20年度には増築を含め7箇所の整備が行なわれることになりました。高津区内では、利用児童数が1日平均で約100人の高津小のわくわくプラザ室の増築工事が夏休み中に行なわれ、約100平方メートル広くなります。障碍を持つお子さんを支援するスタッフ体制の強化や研修の必要性も求めてきました。
今後もご意見をお聞きしながら、学童保育の復活とともに、わくわくプラザの人的保障等の充実で、安全、安心の放課後をしっかり確保するためにがんばりたいと思います。