2008,04,02, Wednesday
新年度が今日からスタートしました。
75歳という年齢を重ねただけで、国保や健保からおいだされ、別枠の保険制度に囲い込まれ、保険料は1万5千円の年金からも天引きされる。払えない人は、これまでの老人保健制度ではできなかった保険証取り上げをやるようになります。
診療報酬もまったく別建にされ、必要な医療も制限される後期高齢者医療精度が始まりました。
あわせて、70歳~74歳の窓口負担を来年4月から2割にひきあげ、国保加入の60歳~74歳の世帯にも保険料の天引きが行なわれるのです。
いみじくも、舛添厚労相は「国民皆保険制度のもとで、高齢者の医療を別建てにしている国の例は把握していない」と答弁したように世界に例のない差別的な医療制度は中止すべきです。
この制度の最大の理不尽さは、いったい人間を75歳で区切る根拠がどこにあるのかということだと思います。
厚労省の担当官は「75歳以上の方の心身の特性とは
①老化に伴う治療の長期化、複数の慢性疾患がみられる。
②多くの人に認知症がみられるようになる
③いずれ、避けることのできない死を迎える」と説明しているとのことです。
これは高齢者を差別する考え方です。私の知り合いの78歳の方は「ふざけるな」と怒っていました。
つらい戦争を体験され、戦後の復興を担ってきた世代の方々です。本来、長寿の方にはみんなでお祝いし、医療費はかつてのように無料にしていく方向が、まっとうな政治のあり方だと思います。
この制度の矛先は、75歳以上の方々だけではなく、全ての国民にむけられたものです。
この制度は医療費の削減にその目的があります。
2015年〈7年後〉には2兆円の医療費が削減され、2025年〈17年後〉には5兆円の医療費を減らすというのが目的です。2025年に後期高齢者になるのは,どういう世代かと言うと、「団塊」の世代です。ターゲットは団塊の世代に向けられていることを見なければならないと思います。
制度の中身が知られるにつれ、全国で怒りが広がり、国会では、野党4党が廃止法案を共同提出しています。
共産党市議団は国には中止撤回を求めながら、市には、繰り返し市独自の保険料の軽減措置をとることと保険証のとりあげはしないように求めてきました。
3月予算議会で、この制度を行なうための条例改正がいくつか提出され、健康福祉委員会で請願と一緒に審議が行なわれました。保険料の軽減措置について市は行なおうとしません。保険証のとりあげについては「生活実態の把握に努めるとともに納付相談に充分にのる」と答え、機械的な取り上げはしないと明言しました。
共産党は、こうした質疑を行なった上で、後期高齢者医療制度は年齢で差別するものであり中止を求める立場から条例改正は反対であると主張しました。しかし自民・民主・公明は条例改正議案に賛成し、一緒に審査した請願について、みなし不採択にしました。
全国で見ると医師会、老人クラブなどをはじめ、自民党も一緒に中止を求める自治体もでてきています。
今日になって、首相が「呼び方がまずい」と言って、突如「長寿医療制度」とネーミングを変えたのには驚きました。
でもとってつけたようなもので、ネーミングだけ変えても中身がかわらなければ意味はありません。
引き続き、国には中止を求め,市には独自の保険料の軽減制度などを強く求めていきたいと思います。
尚、75歳以上の方の健康診断について国は、高血圧患者で薬を飲んでいる方などは、検診から外すと言っていますが、共産党市議団は、希望者全員を対象に、費用は無料にすべきと強く求めました。
健康福祉局長は「対象者全員に受診券を発行し、受診機会を確保していきたい。費用も無料にする」と、このことについては前向きに答えました。