このまちレポート

4月24日水江町公共用地と「神奈川口構想」で多摩川に架ける連絡道路の検討地を見てきました 2008年5月3日

2008年5月4日

2008,05,04, Sunday

「財政が厳しい」と福祉を削りながら・・・やることでしょうか!?

臨海部に進出する企業への助成制度を新設し、50億円投入

08年度予算で阿部市長は、企業に直接助成金を投入する制度にのりだしました。イノべート川崎(先端産業創出支援制度)と言う事業です。

臨海部3地区〈浜川崎駅周辺、殿町・大師河原地域、水江町公共用地〉に特定部門で新規事業化する企業に対し、設備投資額の10%、5年間で総額50億円〈1件最大10億円〉まで補助する事業で、神奈川県のインベスト神奈川とも併用でき、巨額な税金がつぎ込まれます。あいにくの雨模様でしたが共産党市議団として視察を行ないました。

248億円で買い戻した水江町地内公共用地

その企業誘致の対象地として、08年度予算では水江町公共用地(面積約4万8000㎡、川崎高速縦貫道路の代替地として土地開発公社が取得)を川崎市が248億円もかけて購入するのです。

対象となる第1区画〈約8000㎡〉、第2区画(約21000㎡)第3区画(約19000平米)、を見てきました。【写真】 1区画1事業所に貸付けるということです。

市は先端産業創出支援制度には、中小企業も参加できるといっていますが、この広大な土地を見て、とても中小企業が進出できると思えませんでした。体力のある大企業のための税金の支援だと思います。

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多摩川に新しい連絡道路(橋)建設計画に約400億円

市は、多摩川河口干潟付近に企業誘致地区と羽田空港を結ぶ新たな連絡道路【橋】建設を計画しています。

国、県、川崎市、横浜市は「羽田~川崎間の連絡道路は最も市街地に近い上流部がよいのではないか」と検討しているとの報道が2月にありました。

その場所は、かつていすゞ自動車の工場があったところの最上流部,大師橋のすぐ下流です。そして橋をかける対岸の羽田側は、なんと大田区が区民のための文化交流施設や緑地をつくろうと土地の取得を予定している場所なのです。川崎から橋を架けたくても対岸側の事情がこれを許さないのではないか。降りる場所がない橋はつくれません。

私たちは、川崎側から、水鳥がつんつん歩いている多摩川河口干潟【写真】を見て、それから大田区役所にも行き、空港臨海を担当する課長さんから、お話をお聞きしました。

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大田区側の事情・・・羽田空港の歴史と「羽田空港跡地利用基本計画」では・・

羽田空港は、さかのぼること昭和20年9月21日に、GHQがそこにすんでいた3000人の住民に対し「48時間以内に立ち退け」と強制退去させてつくりました。

大田区役所の玄関には、強制収用前のパノラマが飾ってあり、大田区民の奪われた土地へのあつい思いをみる思いでした。

奪われた土地を返せと言うのは大田区の悲願であり、その後、余りにひどい空港の騒音から、昭和48年運輸大臣と東京都知事が合意し、羽田空港を東京湾の沖合いに移しました。そのとき、跡地を大田区に返すと言う約束がされていたとのです。当初の200ヘクタールから、53ヘクタールしか返さないとなっているとのことですが、本年3月「羽田空港跡地利用基本計画」が羽田空港移転問題協議会(国、東京都、大田区、品川区)によって発表されました。

その計画は大きく3つのゾーンに分けて検討されているという説明のなかで、担当職員の方は「川崎から橋をかけようとする場所は、ここは「天空橋駅」を有し、アクセスのよさ、強制退去の歴史等を踏まえ、第1ゾーンとして、市街地に隣接した親水空間として、潤いと安らぎの空間にしたいという計画地だ。そこに大量のトラックがつぎつぎやってくるのは、歓迎できない、羽田空港の跡地計画との整合性をはかるべきだ」と言われました。大田区は平成17年にこれまでの経過と神奈川口構想への考え方を川崎市に伝えているとのことです。

大田区の共産党区議団のかたは「議会でも、全会派が神奈川口構想に憤慨している」と言われていました。

この連絡道路をつくるのに、推定で400億円とかいわれています。国道にするほどではないと国にいわれているとのことです。そうなるとほとんど市が負担しなければなりません。ここでも巨額な税金が投入されようとしています。市民の利便性向上が目的でなく、物流など交通量増加で新たな環境悪化も心配されます。

羽田空港新滑走路の工事費に市が100億円も無利子貸付

その連絡道路建設などを前提に、国の事業である新滑走路工事費に市が総額100億円も無利子で国に貸し付けます。すでに4年間で75億円も予算化しています。川崎市は銀行から借金して貸し付けているので、利子は市民の税金です。

4本目の新滑走路の建設現場【写真】を見てきましたが、本当に必要なのか疑問です。

新年度の予算で「財政がきびしい」とこれまで市が長年行なってきた「67歳から69歳の医療費助成事業」の廃止、「結核、精神医療付加金制度」の廃止、「がん検診、特定検診」自己負担額増などを行なう一方で、巨額な税金投入を行なうのはやはり納得いきません。

2008,05,04, Sunday p4