2009,05,20, Wednesday
09年5月18日
市立川崎病院、再開したNICU
「安心してお産が出来る体制づくり」が急務となっているなか、ハイリスク妊娠、出産による新生児の集中治療を行うNICUが、今年の4月、市立川崎病院で再開、1床拡充され6床でスタートしました。2001年に医師不足などのために休止していましたから実に8年ぶりの再開です。病院関係者の懸命の人材確保があっての再開です。
また川崎病院には2006年に救命救急センターが整備され、救急医療全般にわたり対応していますが、なかに南部小児急病センターとしての役割もになっています。
この2点を中心に5月18日、共産党市議団は川崎病院を視察しました。病院事業管理者、病院長をはじめ丁寧な説明をしてくださり現場も見せていただきました。
新生児集中治療管理室では、4月は32人、これまで50人のあかちゃんをうけいれたということです。
全国的に医師不足が深刻化していますが,NICUは産科医、小児科医のなかでも新生児に強い医師、麻酔科医のなかでも新生児に強い医師、外科医のなかでも小児外科医が必要であり、看護師の人材確保も大変だということです。
ちいさな命を一生懸命生きるあかちゃんをスタッフのかたがたが懸命に治療する現場をみて本当に再開できてよかったと思いました。集中治療の必要なあかちゃんを常にうけいれるためには、2倍の後方病床の確保が必要ですがなかなか大変だということです。
救命救急センターは、年間3万人の患者を受け入れ、約8000台の救急車を受け入れているとのことでした。超重症患者の(集中治療室)ICUベッドは4床、そのほか救急病床16床の計20床を有しているとのことですが、特にICU4床は常に満床状態とのことでした。24時間、救急に対応するには重症の救急患者さんを常時受け入れる必要があり、常に空きベッドを確保しなければならないのが課題だということです。そのためには、生命の危険が回避された状態にあると主治医の先生が判断した患者さんについては一般病床に移っていただくことが必要になる。そうでないと救急車が急病センターの入り口で待つ状況になってしまうとのことです。この病院は全体が救命救急に対し協力し支える体制があるとセンター長の先生はいわれていました。
南部小児急病センターもこの一角にありますが、川崎病院が1次救急をにない、入院が必要な小児を受け入れる2次救急病院は南部では川崎協同病院だけになってしまったとのことです
北部小児急病センターは開業の先生に輪番でになっていただき、2次救急は多摩病院が中心で受け入れているとのことです。
2次救急の輪番病院は市内5病院ありましたが、小児科医医師不足のために入院が出来なくなり輪番からはずれた病院が生じているとのことです。ある小児ぜん息児童のお母さんは夜間、休日に発作が生じた時に対応してもらった病院が小児の入院を閉鎖したためにとても不安だといっていました。
また川崎病院が2次、3次救急を担っていくためには、南部小児急病センターを北部のように開業医の先生の協力体制がとれないかということが、これまでも課題とされ検討されてきました。北部のほかに南部もとなるとこれまた厳しいという状況もあるとのことです。
いずれにしても医師や看護師不足の解消は国の責務です。長時間勤務の連続では医療をになう医師、看護師が病気になってしまいます。
安心して出産が出来、安心して病院にかかれる医療体制をつくるうえで、自治体病院の役割は大変大きいものがあり、市としてどう構築するかが今後問われていくと思います。