2009,07,06, Monday
09年7月6日
6月29日、一般質問にたちました。遅くなりましたが報告します。なお「地域子育て支援センターの機能充実」と「小児救急医療体制について」(こちらはまだですが)は、「このまちで子育て」のコーナーで報告します。
認知症高齢者の在宅生活支援の充実について
2015年には250万人にのぼるといわれている認知症高齢者への支援について、認知症高齢者の話し相手や散歩の付き合い、徘徊の見守りなどを行うサポート事業の実施を求め質問しました。こうした支援は、介護保険のメニューにはなく、自治体独自の取り組みとして、武蔵野市などをはじめとして取りくまれています。
川崎市でも2003年度から2005年度まで、「安らぎ支援員派遣モデル事業」を行っていたことを初めて知りました。認知症介護の経験のある方が研修を受け、安らぎ支援員として相談や話し相手や見守りなどのサポートを行うことで介護者の身体的、精神的負担の軽減を図るという事業でした。しかし、新規の相談利用件数の減少により、利用者が固定化されたことなどを理由に廃止し、相談事業の充実に再編統合したという答弁でした。
しかし、03年から05年度までの事業紹介のパンフ「高齢者福祉のしおり」には、モデル事業ということで一切紹介されておらず、周知がすくなかったのと、利用者が固定化したということは、ニーズが高いということではないかと思います。
実際に05年度の利用回数と時間は03年度の3倍に増えており、止めた理由がわかりません。本来、相談事業と具体的サポートとは双方ともに充実させるべきものです。
川崎市は平成21年度から23年度までを計画期間とする「第4期介護保険事業計画・高齢者保健福祉計画」の中で、認知症高齢者と家族支援の充実を謳い、具体的には認知症サポーターの養成事業とその事業を活用して安心してくらせるまちづくりを目指すとし、家族会の相談事業である「サポートほっと」の実施などをおこなうとあります。答弁でも「こうした多角的な取り組みを行っているところで、今後ますます認知症高齢者の増加が予測されるので、施策の充実に努めていきたい」という答弁でした。
市独自の新規事業が無理ならば、例えば、相談事業である「サポートほっと」で相談や依頼に応え、サポーターを派遣する。相談事業にコーディネート機能を加え、相談事業とサポーター養成事業をあわせて、よりニーズに即したサポートを行うことを求めました。
しかし健康福祉局長は、認知症サポーターの養成事業と「サポートほっと」などの施策の充実にむけて今後も努めるという答弁にとどまり残念です。
ある精神科医の先生の著書に「いたずらやおもらしはだれもが経験したいつか来た道であり、認知症や高齢者になることはだれもがいつか行く道。だから誰もが安心して高齢期を過ごせる施策の充実が求められる・・」という内容の文章があり本当にそうだなと思いました。
川崎市は認知症高齢者の人数を現在約1万6千人、平成23年度には約1万8千人となり、おおむね65歳以上の14人に1人が認知症高齢者に該当すると推計しています。
施策の充実に努めるとするならば、介護保険を補完する市の独自の取り組みが必要です。
精神障害者の地域生活支援の充実についてです。
退院可能な精神障害者の地域移行が進められ、第1期川崎市障害福祉計画で、平成23年度までに282人の目標を掲げています。平成19年度までの2年間で131人の方がたが病院から地域にもどられているとのことです。
退院促進の取り組みに行政のイニシアティブの発揮を
退院の促進に向けて市内の精神科病院や地域の支援団体との協議が行われていますが、医療機関、地域の相談事業の現場レベルの関係性をつくるきっかけや強化、連携に対する行政のイニシアティブを発揮する積極的な取り組みが必要と考えるがどう取りくんでいるか質問しました。
健康福祉局長は生活訓練支援センターが主催し、市内の精神病院や地域の支援団体と「地域移行支援特別対策協議会」を設置している。区保健福祉センター、精神保健福祉センターや市内の主要な精神科病院にも参加いただき、地域移行に向けた取り組みについて協議している。特に地域移行に向けての課題である医療機関と地域との連携や、地域の受け入れ体制の整備などについて、主体的に進めていきたいと考えているとの答弁でした。
精神科救急の医療体制充実にむけて
精神疾患を持つ方が夜間や休日などに急に症状が悪化した場合の救急医療体制と、他科救急の場合に精神科に通院しているという理由で受け入れを拒否されることがあるということを聞いているが現状と取り組みを質問しました。
現在、精神科救急医療体制は、神奈川県、横浜市との3県市強調事業として365日24時間で実施している。夜間休日における初期・2次救急は精神科救急医療情報窓口が対応することとし、受け入れ医療機関等の紹介をはじめ、家族の相談にあたっている。他科救急における対応については病院協会や医師会に働きかけていきたいという答弁でした。