議会活動報告

子母口小、東橘中の合築整備計画について質問しました

2010年12月20日

経過
  
子母口小学校の過大規模校及び学校施設の狭隘化を解消するために、これまで、国有地(国家公務員舎)を含めた市営蟹ヶ谷四方嶺住宅跡地での新しい学校の建設にむけたとりくみが進められ、川崎市の実行計画ko-gi_gifにも「分離新設」と明記されました。新校の建築には接続する道路が9メートルなければならず、その接続道路の確保には隣接する国有地が必要であり、国との協議もしながらの方針の決定でした。
しかし、今年の2月、国から国有地売却時期がH24年度末に延びたため、新校の開校がH30年度以降に延期されることから、そんなに待てないということから、分離新設計画を見直して、子母口小学校と東橘中学校の敷地内に小中合築で、学校を建築するという方針の転換が報告されました。

生徒数約2000人で、過大規模校解消、狭隘化解消になるのか
心配されるのは、本年の子母口小学校の児童数は市内最大過密校で1125人〈32学級〉、東橘中学校は市内4位の917人です。合計2000名を超える大規模校になります。子母口小の過大規模校解消と言っていたのに、突然出された合築計画で児童数は倍加します。先に小中合築整備されたはるひ野小中学校〈児童数890人〉と比べても、生徒数が倍以上なのに校地面積は約1600㎡狭いのですから、過大規模校解消、狭隘化解消にならず、市教委がいうような良好な教育環境の確保にならないのではと代表質問で質問しました。
    教育長は「子母口小の単独改築では、敷地の制約があって狭隘化の解消はできないが、子母口小学校と東橘中学校の両校の敷地を活用して合築整備をすることにより。諸室の供用を図るなどして、効率的、効果的な施設計画が可能となり、小中9年間の良好な教育環境が提供できる』と答えました。

中長期的に考えて大丈夫か
もうひとつ心配は、小中学校の中長期的な教育環境についてです。はるひ野小中学校では開校わずか2年で児童数が推計を大幅に超えてしまい、隣接地を買って増築することになりました。また高津区内の久地小学校でも推計を大幅に超えたために、隣接地を購入することになるなど、子母口小学校と東橘中学校でも合築後にそうした事態がおこらないとは限りません。しかし、これ以上の拡張する用地はこの周辺では無いと思います。中長期的に考えて本当に大丈夫か質問しました。
教育長は『周辺地域における開発動向や人口動態などの状況把握に努め、最新のデータを加味しながらより的確な児童生徒数の推計に取り組む』としか答えませんでした。

仮設校への交通安全対策をどうするのか
改築期間中、四方嶺住宅跡地に建設される小学校の仮設校を建てる計画です。1000人以上の小学生が急な坂道を上り、歩道が無く急カーブもある狭い道路を歩きます。その道を私もみてきました。県道子母口綱島線は交通事情が大変な道路です。通学時間帯に走るバスは片道でも溝口行きが10本をはじめ、新城行き、小杉行き、川崎西口行きなどのバスが何本も走り、これに一般車両、工事車両が通行します。低学年の児童にとっては心身ともに負担だと心配されます。鷹巣橋付近を含め、現在考えている交通安全対策を質問しました。また山を下ってまた坂を上る『子母口富士見台』地域の対策や、体力的に心配な児童への配慮が必要になると思いますがその対応について質問しました。
    教育長は「学校とともに、保護者や地域の方々と安全点検を実施し、ご意見を伺いながら、児童の負担が少なく安全が確保できるよう、経路の検討に着手したところ。その上で通学路で安全上の対策が必要な箇所については、学校とともに、道路管理者、交通管理者などの関係機関に働きかけを行う。通学方法については徒歩を原則とするが障害のある児童や体力が不足した児童など、さまざまな配慮が必要とする児童に対して、保護者等の車での送迎や公共交通機関の利用など一人ひとりの状況に応じた対応を図っていく」と答えました。

学校教育法における学級の適正規模は
   学校の学級数に関する省令を規定している、学校教育法施行規則では、「小中ともに12学級以上18学級以下を標準とする」ただし「標準の例外として地域の実態によりこの限りでない』とされています。そして、川崎市の「適正規模・適正配置」の基本的な考えかたは「児童生徒の教育環境、学校運営の考え方から、学校本来の機能が十分に発揮される学校規模として、小中ともに普通学級で12学級から24学級程度までを適正規模とし、一時的に児童生徒が急増している地域については過大規模校とならない30学級までを許容する」と定めています。そして開校年度のH27年度は、子母口小27学級、東橘中25学級と予測しており、両校とも許容範囲内だとしています。
許容の範囲内としていますが、学校教育本来の機能が十分に発揮される適正規模ではないということです。

本来は
当初計画どおり、分離新設にむけた国との協議を粘り強く行うことを追求し、可能ならば売却を待たなくても基本構想などの手続きを進め、早期に新しい学校が開校できなかったのかと残念です。そして、分離後の子母口小について、老朽化した余裕教室が残る状況から近い将来には改築などの教育環境の改善が必要なことや、東橘中学校の狭隘化対策が必要なことも、分離新設を決めたときからわかっていたことですから、それぞれ、対策をとるべきでした。お金はかかっても、教育環境を良くすることは、真っ先にしなければならないことを指摘しました。

保護者、地域への丁寧な説明と意見聴取を
小学校1年生から中学3年生まで、ひとつ学校内での学習環境になることへの教育的な検証をしっかり行うべきですし、検証なしに今後拙速に進めるべきでないことも指摘し、保護者や地域への丁寧な説明と意見聴取をしっかり行うことを強く求めました。