保育園が足りません。4月保育所入所に向けた新規の申し込みは6577人でした。そのうち、2月10日現在の内定は4051人、不承諾は2526人、不承諾率は38・4%にものぼりました。不承諾通知を受け取った方々は4月までにお子さんの預け先を見つけなければ、せっかく決まった職場にも、育児休業明けの職場にも行けません。ちいさなお子さんを抱え、大きな不安の中で、預け先を探しているかと思うと心が痛みます。
保育所は暮らしを支えるセーフィティーネット
今、経済や雇用状況が深刻な中、家計のために一刻も早く働きたいと認可保育園への申し込みが増え続けています。保育所は、子育て世代の暮らしを支えるセーフィティーネットの役割がますます増しています。
あるシングルマザーのかたは、急いで仕事に就きたいと、区役所に申し込みはしたものの「現在、働いていないと無理です」といわれ、ハローワークに行ったけれど、こどもの預け先が決まっていなければ無理ですといわれた。うけとった通知は入園不承諾でした。通知を手に「認可外の保育料は高くて無理」「これではいつになっても働けない」と絶句していました。
保育所が不足しているため、入所要件を定めて公平性をきすといいますが、たとえば、就労先が決まっていない場合はいちばん要件が低いEランクです。内定の場合はDランクとなり、夫婦二人で自営業の場合はBランク、Aランクは1ヶ月20以上、一日7時間以上の勤務となっています。
ある保育園は、ゼロ歳児10名の枠に124名の申請があったそうです。そのうちAランクは80名を超えていたとか、Aランクでも入れないという実態です。本来、どのランクであっても、保育を必要とする実態はなんら変わりません。ランクをつけて入園を決めるのは、保育所が圧倒的に不足しているからです。
共産党は、この間、緊急整備のために代表質問で様々提案してきました。
一つは未利用の公有地を活用して保育所整備の土地を確保することです。国有地の活用については初めてですが1か所、宮前区で整備されることになりました。市有地については、提案してきた上下水道局所有の土地に、これも宮前区ですが新年度予算がつき整備されることになりました。県有地については、中原区の上平間に今後予定される県営住宅跡地について質問したところ、可否について検討していくと言う答弁でした。
県に対しては、昨年6月議会で、共産党がよびかけて全会派一致でまとまった県宛の意見書を提出したことが土台になって、昨年11月、川崎市が県の予算編成に対する要望書のなかで、「県有財産の貸付制度の創設」について、県に要望書を提出していますが、現時点では具体化にいたっていません。国は自治体から保育所や介護施設や障害者施設などを整備する場合、定期借地権を利用した未利用の国有地の貸付制度を創設しています。是非、県についても早急に具体化を求めるものです。
二つは土地所有者と保育事業者とのマッチング事業の創設です。
新しい【仮称】保育基本計画に、共産党が提起したこの事業を行うことがもりこまれていますが、新年度の取り組みについては、2011年度中に、土地の公募・選定、ならびに選定された土地の所有者と保育事業者とのマッチングを行い2012年度に4か所を目途に整備していきたいと答えました。
三つ目は園庭のある保育所整備をすべきと求めてきました。国が規制緩和し、認可保育園であっても、近くに公園があれば、園庭が無くてもよくなったため、園庭がない保育所が増えてきました。しかし、こどもの成長発達のために、戸外でのびのび遊べるよう園庭のある保育所整備をすべきと、この間横浜市の設置基準要綱などを例示して求めてきました。この要綱については、先のホームページで掲載しています。今議会でこども本部長は「2011年4月1日開設予定の認可保育所19箇所のうち園庭のある保育所は10園」と答弁しました。市の担当者は努力していますといいますが、要綱で定めていかないと限界があります。
また、公立保育園を民営化しないで存続し、先ずは待機児解消が先決であること
さらに、市の進める再開発事業には保育所整備を確保すべきことなどを求めてきました。
2011年度予算では
2011年度認可保育所の整備予算では、高津区、幸区、麻生区に120名定員の認可保育所が市有地に整備されます。(高津区内は、久地小学校の新グランド内に整備されます)民営化による定員増が5園で125名の受け入れ増、他はビルの一角を事業者が見つけて保育所整備する場合、一定の条件を備えていれば市が整備の一部に補助をする「民間事業者活用型保育所」が14か所、750名となっています。
などなどで合計1355人となっています。これで、2012年度の待機者がどれだけ解消されるか、私はまだまだ足りないと思います。引き続きとりくんでいきます。
今、市の保育所整備の約半数以上が民間事業者活用型です。殆どが企業です。ビルの一角などですから、園庭つきというわけにはなかなかいきません。保育士の確保にも限界があるのではと思います。こうした民間に半数以上の整備をゆだねるのでなく、市が用地確保をし、園庭のある認可保育所の整備を進めるべきと考えます。