3月3日、予算審査特別委員会で、子母口小学校の合築問題について、12月議会に引き続き質問しました。
児童数1125人の市内最大のマンモス・過密校の解消を目的にしていた子母口小学校の分離新設計画(市営蟹ヶ谷四方嶺住宅跡地への学校新設)が見直され、子母口小学校と東橘中学校の合築に方針転換されました。本当にそれでいいのでしょうか。
私は①教育への影響 ②地域の核としての役割から見てどうか ③住民合意が欠かせないとして質問しました。また保護者のみなさんからお話を聞かせていただく機会があって、最も不安や疑問の大きかった仮設校舎への通学と通学路の安全対策についても質問しました。
① 教育への影響について、教育長は合築で施設狭隘を解消し、国が示す校舎の必要面積を確保するとともに、児童生徒や教職員が交流を深める教育活動が可能となると答弁しました。しかし昨年、12月議会で教育長は「合築により、諸室の供用を図るなど、効率的、効果的な施設計画が可能となる」と答弁するなど、効率化【コスト削減】が目的であることがわかりました。教育環境、教育内容に、コスト削減を持ち込むべきではありません。また子母口小学校も東橘中学校も狭隘化している、その同じ敷地内に、合築整備して、建物は新設で立派になっても過密解消になるとはとても思えません。
通学方法と安全対策について
蟹ヶ谷の山の上(四方嶺住宅跡地に整備)の仮設校舎への通学は、子どもたちや父母の大きな不安です。改築中の2年間、子母口小学校の大多数の児童が狭い坂道を登下校することに。県道子母口綱島線沿いはカーブも多く、路線バスやトラックの交通量も多く危険です。
また、子母口富士見台周辺から通う児童は,山をおりて、また上って片道40分程度かかります。雨や雪、台風、猛暑の日は、低学年をはじめ過酷な通学で、学習への影響も心配です。
教育長は「通学方法について、徒歩を原則とするが、さまざまな配慮を必要とする児童に対しては、保護者の車での送迎や、公共交通機関の利用を認めるなど一人ひとりの状況に応じた対応を図っていく」と答弁しました。
また通学路の安全対策について、3月中旬に学校、保護者、地域関係者や防犯パトロール隊の代表を委員とした通学路検討会議を開催し、通学路の設定、安全対策について具体的な検討を進める。H23年度から、警察や道路公園センター等の協力を得ながら安全点検を実施すると同時に安全対策が必要な箇所について具体的な対策を図っていくと答えました。
② 地域の学校はこどもたちが地域で育つことの教育的な意義を持つと同時に地域のコミュニティー形成にとって大切な役割をもちます。現在、子母口小の校庭・体育館は少年野球やサッカー、こども会、ママさんソフトボールなど17団体、延べ2万人ほどが利用【09年度】されていますが、継続されるべきと質問。教育長は、市民の生涯学習、スポーツ、市民活動などの場として地域の財産である学校施設が有効に活用を図れるよう学校施設の開放を継続していくと答弁しました。
③ 住民の合意が欠かせません
私は合築計画への方針転換は地域のこども達と住民、子育て世代にも関わる大きな問題と思います。12月議会で周辺の幼稚園や保育園の保護者も含め、地域への丁寧な説明と意見聴取を行うことを求めてきました。教育長は幼稚園や保育園の保護者、住民説明会を3月下旬に開催し、現在、小中学校の保護者、教職員へのアンケートを実施していると答弁しました。
しかし、アンケートの設問は、合築後に期待することや3校連携を進める上で関心のあるものを選ぶなどの設問で、賛否を問う設問はありません。保護者の方々は、仮設校舎のことや、なにか不安がありますか?の設問もないし、10月の説明会で保護者の質問に考えておきますと言っていた答えも事前に聞きたかった。教育委員会の意向に沿って導かれるアンケートではないかという意見もありました。またどのタイミングで意見を言っていいのかわからない。意見を言うタイミングを失してその問題はもう遅いといわれることが心配という意見もありました。10月の説明会に参加できなかった方も多いこともあり、保護者向けの説明会を適宜持つべきと質問しました。
教育長は引き続き機会をとらえて説明会を実施していくと答えました。
まだまだ議論が必要
は、仮設校舎の通学路の安全対策も2011年度になってから、新築校舎はつくっても、中の教育内容がどうなるかの議論もこれから、小中児童生徒の交流というけれども、別の学校として時々連携するのとちがい、常にひとつの校舎内で交流するのは心配という声、今後の少人数学級への教室の確保への心配などまだまだ議論が必要です。
最初からわかっていた両校への対策は別途とるべき
分離新設後の子母口小学校(児童数500人から600人を想定していた)に老朽化対策をとることと、東橘中学校の施設狭隘化に対して、別途対策をとることは、分離新設を決めた時からわかっていた課題ですから計画的に必要な対策をとるべきです。当初の分離新設案に戻れば、仮設校舎の通学の心配もなくなり、過密解消も進みます。「仮設校舎に行かなくてもすむのなら、新設が遅れてもいい」という意見もあります。
財務省からききとってきました(右写真)。
蟹ヶ谷の国家公務員宿舎の廃止が遅れる影響で、隣接用地(市営四方嶺住宅跡地)への学校新設が当初より2年程度遅れることが合築に変更する理由とされています。2月23日私は地域のみなさんと一緒に、財務省から聞き取り調査し、宿舎の廃止再編計画を今年6月までに公表するとの説明を受けました。それから検討しても遅くないのではと思います。
こどもの豊かな成長発達を保障する教育環境をどうつくるのか、分離新設か、合築かの根本問題を含めて保護者や地域住民との十分な議論を行い住民合意が欠かせないことを強調して質問を終わりました。