代表質問でも、5700人余も待機している特養ホームの緊急増設をとりあげましたが、続けて予算審査特別委員会で私も質問しました。
横浜市と比較すると川崎市の整備の遅れがはっきりします。
今年1月1日現在の川崎市の特別養護老人ホームの整備数は、2734床です。高齢者人口23万4631人の約1・2%の整備です。
横浜市は12,487床、高齢者人口72万1555人の約1・7%の整備です。2005年から2010年度末までの整備数は川崎市は9施設782床の整備に対し、横浜市は41施設、4,395床の整備でした。高齢者人口は横浜市の約33%ですが、整備ベッド数は17,8%と川崎市の遅れは歴然としています。根底に特別養護老人ホ-ムを希望する高齢者の実態を掴んでいないといわざるをえません。
実態をみていない川崎市の整備促進プランの「必要整備数」の考え方
川崎市は2008年11月に、2008年度から2013年度までの6年間で1200床の整備を目標に整備促進プランをつくりました。プラン策定から2年経過し、必要整備数の改定をこのほど行いました。しかし1550床とするだけで、実態に全く合っていません。市の必要整備数の考えかたは、介護保険法の入所要件は介護度1からですが、川崎市は介護度3以上としました。そのうえ、自宅からの希望者と病院からの希望者のみを対象にました。
介護老人保健施設や養護老人ホームからの入所希望者を必要整備数の枠にいれないで計算したのです。
老健施設等からの希望者を「必要整備数」に入れるべきです
今回のデータは高齢者実態調査のなかで、特養ホーム入居希望者から500人を抽出し、回答を寄せた312人の方の現住居の比率を計算して人数に割り返したのです。最も希望者の多かったのは自宅からの希望者でした。次に多いのが介護老人保健施設からの希望でした。
介護老人保健施設は、病院と在宅をつなぐ中間施設ですが、老人保健施設から、家庭復帰できる状態なのに、一人暮らしになるなどの理由で特養ホームに入居したいと言う方々もおられますが、私は、こうした方々を必要整備数にきちんといれるべきと質問しました。
しかし、健康福祉局長は「整備促進プランを着実に整備し、多様な居住環境の整備に努めると同時に在宅サービスの充実に努めていく」という答弁に終始しました。
計画の前倒しとせめて用地未決定の取り組みを急ぐべき
整備促進プランでは、H24年度開所が3か所・350床。H25年度開所が3か所・350床と小規模特養2ヶ所・58床となっています。そのうち整備用地が決まっているところについては前倒しして整備することと、まだ用地が決まっていない5か所については、早急に具体化すべきことを主張しました。そして、国や県有地の使っていない土地の確保に全力を尽くすべきと質問しました。
健康福祉局長は、5か所については民有地の活用を図ると考えており、現在、複数ご相談も頂いているので、できるだけ早い時期に市のホームページ等により設置法人の募集を公募により行ってまいりたいと答えました。県有地については、「社会福祉施設等の整備に関する県有財産の貸付制度の創設」について要望し、現在、県と協議をおこなっている。国有地についても関係局と連携しながら検討していきたいと答弁しました。私は、貸付制度を早期につくるよう取り組みの強化を要望しました。
余りにも少ない高津区内の特養ホーム
最後に、全市35箇所・2734床のうち、高津区内の整備数は3か所・214床のみです。今後の計画にも1か所も高津区内はありません。特養は全市展開するものの、デイサービスやショートステイなど、在宅介護を支える大節な基盤施設ですから、ある程度公平に整備されるべきと質問しました。局長は、用地の決まっていない整備計画の応募を期待しているとの答弁にとどまりました。私は、久末の県有地が更地になっており、そこでの特養ホーム整備をのぞむ地元の声と運動があるので、整備を要望しました。