福島第1原発の爆発や火災のニュースに本当に人体に影響がないのかと言う心配がつのります。1号機に続き3号機でも爆発が起こり、4号機で火災が発生し、さらに2号機の原子炉格納容器が一部破損、放射性物質の外部放出と言う日本の原発史上最悪の事態に発展しています。どう対応するのか国民と世界がかたずをのんでいます。
当初、菅内閣は「原子炉本体や格納容器に問題はない」「健康に影響を及ぼす事態は生じない」と説明していたにもかかわらず、原子炉2号機の格納容器が破損。原子炉周辺では400ミリシーベルトと言う異常数値も検出される事態になりました。
東電側に振り回された政府の対応は後手に周り、周辺住民の避難・退避をめぐって2転3転しました。また原子力行政を進める経産省の1機関に過ぎない原子力安全・保安院は記者会見で官邸の発表以上のことを説明できていません。
志位委員長、原子力安全委員会のもと、専門家の力を総結集して対応することを政府に申し入れ
共産党の志位委員長が15日、政府に申し入れ、提起したのは、保安院まかせにするのでなく経産省から独立した中立的な立場で、専門家を結集し、担当行政機関や事業者を指導している役割を担っている原子力安全委員会の活動がきわめて重要になっているという問題です。
経産省や東電は原発推進の当事者であり、その自己規制や検証には限界があります。過去には東電などによる事故隠しやデータの捏造もあったといいます。このため、原子力の安全確保には独立した中立の立場での検証が不可欠です。
1996年発効の原子力安全条約第8条でも、原子力を利用・促進する機関とそれを規制する機関の分離を求めているということです。
志位委員長は、第3者委員会として原子力安全委員会に、責務を果させるべきであり、情報を集中し、必要な権限を与え、あらゆる専門家の英知を結集することを提起しました。
1999年茨城県東海村で起きたJCC臨界事故のさいに、原始力安全委員会の委員長代理として対応に当たってきた住田氏は「あの時は、原子力関係者が総力挙げて助言やバックアップしてくれたおかげで危機をのりきることができた。今回は東電と保安院が全て囲い込んでいるためそうしたバックアップが生かされていないと語ったと言うことです。
また、16日に開かれた第1回の「政府・各党震災対策合同会議」に出席した市田書記局長は、以下の要望書を提出しました。
1・原子力安全委員会のもとに専門家の力を総結集して対応する
2・最悪の事態を想定して対策をとる。
福島原発周辺とともに東日本の広域での避難計画を準備する。周辺住民へヨウ素剤を配布。東日本全域へ のヨウ素剤配布に備える
3・放射性物質の拡散への対応をとる。
放射性物質の拡散状況を常に把握し明らかにするために、放射線モニタリング体制を強化しデータを公表す る。被爆検査と除染を速やかにできるよう全国的な協力を図り体制を強化する
4・原発事故に関する情報を積極的に公表する
全体的な被災状況、現在とっている対策、その後の見通し含め情報を積極的に公表、国民が状況を理解できるようにする
5・福島原発周辺から避難・屋内退去した住民の生活を支える
そのほか、
●大学研究機関などの協力を得て放射線のモニタリング体制を強化することデータの速やかな公表と被爆の程度に応じた対策を住民に周知徹底すること。
●地震津波被害の上に原発事故の2重の避難を強いられている被災地が遠く離れた郡山市まで物資を取りにこいなどという扱いを受けているのは言語道断であり、改善するべきだ。
●さらに、各自治体の避難住民の受け入れ能力を掌握するとともに閣議決定した雇用促進住宅廃止を撤回し、避難住居にあてることを提起しました。
松本防災担当相が、出された要求について「前向きに検討したい」と答え、第2回【18日】会合で回答すると答えたとのことです。