このまちレポート

川崎の自己水源を守ろうに拍手

2011年3月25日

震災後の小集会で私が話すことのひとつは「今度の地震で、大切さはっきり、川崎の自己水源(地下水)を守ろう!」ということです。熱心に聴いてくれます。

  今度の震災で、水の確保の大切さがはっきりしました。40125689_T2
川崎市は、現在①多摩区にある生田浄水場の地下水 ②相模湖の水 ③酒匂川(小田原)から56キロ運んでくる水を水道水として使用しています。 ところが、川崎市は①をなくし ②を減らし 市民の飲み水の大部分を③に頼るという計画をたてました。

このことを知った住民のみなさんは「川崎のおいしい水道水を守る会」をつくり、生田浄水場の存続をもとめる請願が1万人の署名とともに市議会に提出されました。

日本共産党はこの請願に賛成しましたが、自民も民主も公明も、ネットも無所属もみんな反対の態度で不採択にしてしまいました。

環境委員会での共産党議員の質疑や多摩区の井口まみ議員の3月予算議会質問で、市の計画の矛盾が次々明らかにされてきました。
小田原の酒匂川の最下流,飯泉取水堰から引っ張ってくることにはたくさんのリスクがあります。ひとつが56キロ間に活断層があるということ。そして、河口から2キロという最下流にあるためポンプを使ってもちあげなくてはならず、引き込む電力は6万キロワットで万一停電になった時、こんな電力をバックアップする自家発電装置は存在しないということです。
飯泉の水が地下水に比べて汚染度が高く、処理コストも高く農薬汚染も頻繁で、答弁では「浄水処理をすれば日本の基準を満たす水になるが、EUの基準を当てはめると飲料水としては、許可にならない」水であること。さらに、昨年9月の台風で酒匂川の上流の静岡県でたいへんな土砂崩れがあちこちで起こり、復旧するのに数年かかり、その間、酒匂川に土砂がずっと流れ込み続けるとのことです。1272378964

生田浄水場の廃止の理由はただひとつ、たいへんな借金を背負っている、川崎市も出資している「神奈川県内広域水道事業団」を支えなければならないから、です。

この企業団は、神奈川県、横浜市、横須賀市、川崎市が出資して、巨大な相模大堰や宮ヶ瀬ダムなど莫大な過大投資して水道事業を始めました。みんな借金です。これらの施設が出来上がったときには、すでに景気が悪くなり、水をつくっても余るだけで、川崎市も工業用にたくさん必要だと申し込みましたが、その殆どがいらなくなっているとのことです。

でも、借金を返すためにはこの水を買い続けるしかない」これが、川崎市の自己水源である地下水を原水とする生田浄水場 廃止の理由です。

大きな地震にみまわれたら、水が足りない事態になることは明らかです。井口議員の質問で、給水車は全市に5台。移動式のタンクも合わせて96トン分で、市民3万人分でしかないこと、ところが多摩区の地下水は1日10万トンくみ上げる能力をもっている。140万人の市民が、一日3リットル確保するのに必要な水は4万2千トンですから大丈夫とのことです。

「大切な地下水源を守りたい」と結ぶと拍手が起こったのには驚きました。