12月27日付けの「しんぶん赤旗」の主張は、上記題名の「子ども・子育て新システム」についてでした。このシステムの本質と問題を取り巻く現状がとても良くわかる主張でしたので以下紹介させていただきます。
民主党政権は国民犠牲の「社会保障と税の一体改革」のトップに「子ども・子育て新システム」を位置づけ、年明けの通常国会への法案提出に執念を燃やしています。国・自治体の保育責任を放棄して、保育を保護者の「自己責任」、「企業任せ」にする「新システム」の法案提出は、絶対に許すわけにはいきません。
広がる怒り、反対の声
「新システム」検討作業は、混迷と破たんを深めています。政府は「子ども・子育て新システム検討会議」の作業部会で内容の検討をすすめ、年内とりまとめをめざしてきました。しかし思惑通りにはすすんでいません。反対や懸念の声が委員からも相次いでいます。
認可保育所の9割以上が加入する全国保育協議会は、「幼保一体化は有名無実、空洞化」「待機児童の解消は見込めない」「質の引き上げも不透明」と制度案に反対を表明しました。幼稚園団体も現場の実態を無視した審議につよい不満を表明しています。
検討の最終盤で異論が噴出している背景には、もともと「新システム」が保育所や幼稚園の現状からも保育関係者・父母の願いからもかけ離れた、財界・大企業の要請による制度改変のごりおしだという根本的な問題があります。
さらに具体化につれてはっきりしてきたのは、児童福祉法24条の市町村の保育実施責任が撤廃され公的責任が大きく後退すること、保育料の上乗せ徴収の自由化や補助金から株式配当を可能にするなど、保育の「営利化」「市場化」の姿です。一方で「幼保一体化」など政府の「新システム」の目玉は実態に合わず次々に破たんしてきました。
地方自治体からも「こんなことはできない」と戸惑いの声があがり、23府道県議会が法案提出撤回などを求める意見書を可決しています。政府が決めた待機児童を口実にした保育所面積基準緩和も『保育環境の悪化になる』と多くの自治体が実施見送りを決めており、自治体の反発もつよまっています。
政府は、待機児解消のために保育所をつくるのでなく、「詰め込み」や「規制緩和」をすすめ、保育現場や自治体に負担を押し付けてきました。このうえ矛盾と問題だらけの「新システム」強行に、怒りが広がるのは当然です。
反対運動も急速に広がっています。11月3日の「『新システム』に反対し、ゆきとどいた保育を求める大集会」は過去最高の5000人を超え、子ども連れの父母も多数参加しました。11月14日に「新システム」撤回をかかげ、九州、北海道、さいたま市、山口県、栃木県などの保育団体(私立保育園連盟、保育協議会、日本保育協会)が開いた集会には、日本共産党をはじめ自民、公明、社民、民主の国会議員が連帯を表明しました。
法案化阻止へ共同を
国民の願いは、誰もが安心して預けられる保育・幼児教育の充実です。それは、国・自治体が責任をもち、財政面も質もしっかり支えてこそ可能です。日本共産党は共同の力で矛盾と破たんが明らかな「新システム」法案化を断念させ、赤ちゃんからお年寄りまで国民総いじめの「一体改悪」を打ち砕く歴史的なたたかいに全力をあげるものです。仕事も子育ても両立できる21世紀の日本社会のまともなルールをつくるため奮闘します。
以上です。
私はこれまでたびたびこの問題の本質について議会でとりあげてきましたが、12月議会代表質問では、保育所面積基準を国が緩和しても良いとした35市区に川崎市も入っていますが、基準緩和をしないという方針を打ち出すべきと質問しました。子ども本部長は、児童福祉審議会で審議いただくとともに、現状の保育環境、他都市の動向を勘案しながら、子どもの安全確保の視点から検討を進めてまいりたいと考えている」と答弁しました。