3月15日の最終日の本会議で、川崎市国民健康保険料の改定議案の採決が行われ、共産党は反対しましたが他の会派の賛成多数で可決されました。
代表質問や私が所属する健康福祉委員会で質疑と採決をへて本会議採決になりました。この議案の内容と反対の理由は以下のとおりです。 国民健康保険法施行例の改定で2013年度から,国保料の所得割額の計算方式が住民税方式から旧但し書き方式に全国統一されますが、川崎市は1年先取りで2012年度から実施するという議案です。
大きな問題は、計算方式が変わることによって、最も負担増になるのが、収入のある非課税世帯,低所得で扶養家族の多い世帯,障害者控除や寡婦(夫)控除、医療控除等を受けている福祉的要素の最も大きい世帯を直撃することです。
国保は,年金暮らしや自営業のかた、それに加えて雇用の悪化が進むなか、派遣や非正規労働者や、失業された方々が多く加入しています。国保加入世帯のうち,年収200万円未満の世帯が2010年度は68,1%を占めるなど低所得化が進んでいます。
健康福祉局長は「社会的な相互扶助の精神にのっとり」「一定の所得がある非課税世帯であっても,受益と負担の公平性の観点から所得割額の負担をしてもらう」といわれましたが、今の国保法には相互扶助という文言はありません。そう規定していたのは戦前の1938年施行の旧国保法です。相互扶助の仕組みから憲法25条に基づく社会保障制度編と転換したのが1959年施行の新国保法です。第1条で国保を「社会保障及び国民保険」のための制度と規定し、第4条でその運営責任は国にあると明記しました。
事業主負担のない国保は,適切な国庫負担なしには成り立たないのは政府も認めていた国保財政の原則です。ところが,国保の総会計に占める国庫支出の割合は1984年度の約50%から09年度24,7%に半減してきたことが国保財政の厳しくなった要因です。
今回の改定には、激変緩和策として旧但し書き所得を2012年度から順次90%、60%、30%まで控除し15年度から10%で継続するとしていますが、保険料の値上げが大きく生計に影響を与える世帯には、なお負担増であることには変わりありません。
中間所得層への負担軽減や真に持続可能な国保制度にしていくためには,国庫負担割合を計画的に戻すなかではかられるべきであり,それまでは川崎市の一般会計からの繰り入れを行うべきと主張し反対しました。
なお、現行の所得減少減免や生活困窮減免制度の周知をもっと徹底し、払いたくても払えない世帯に適用すること、可能な分納相談等、親身に対応する様要望しました。