12月議会代表質問から
都内で、妊婦が病院の受入れを何回も断られ、死亡する事件が10月に起きました。子供を出産するという、人生で最も喜びを実感するときに、こんな悲しいことがあっていいのでしょうか。2007年の川崎市内の出生数は2005年より1207人増えて、14252人でした。安心して出産できる川崎市の産科医療体制の充実について質問しました。
市内では、この間、分娩取り扱い病院は多摩病院の新設がありましたが、稲田登戸病院の廃院、社会保険病院と聖マリ東横病院が産科を廃止、日本鋼管病院が休止するなど大きな病院の産科廃止と産科医師が減少し対策が急がれています。
・「すでに6月まで分娩の予約がいっぱいの病院がある」
・「分娩の予約金を10万円~30万円納めないと予約できないところも」
・「やっと頼み込んで嘱託病院になってもらった」と言う助産院などなど寄せられている実態に、安心して出産できる医療体制と救急医療体制の充実が急務であることを改めて強く実感しました。
以下質問と回答(要旨)です。
公立病院(川崎・多摩)での産科医師数の確保・増員について
病院局長は「川崎病院においては、平成21年度内に新生児特定集中治療室、いわゆるNICUの再開をめざしているところで、現在、医師、看護師の確保や施設整備に取り組んでいる」「産科医療体制の充実は喫緊の課題なので、病院局としても最大限努力する」と答えました。川崎病院では、平成13年1月より産科医師と看護師不足で休止していたNICUの再開をめざし、段階的に6床にしていきたいとのことです。
院内助産所の整備、助産師の活用・養成について
病院局長は「公立病院での院内助産所はスペースの確保などから困難である。」
健康福祉局長は「市内に助産師の養成校はないが、川崎市看護協会で川崎市助産師会と共同で実務研修を行なっている」と答えました。
総合周産期母子医療センターへの医師確保へ思い切った予算を
川崎市は2010年度までに総合周産期母子医療センターを聖マリアンナ医科大学病院内に設置運営の計画です。お産は、どんな分娩でも母子ともに命がかかるものです。特にリスクの高い分娩や救急産科医療のために、地域の産科医にとっても最後の砦です。
健康福祉局長は「聖マリアンナ医科大学病院には、現在NICUが9床あるが、母体・胎児集中治療管理室、いわゆるMFICUがないので6床の設置を含む産科病棟改修などの施設整備や医療機器整備などについて協議を行なっている。医師確保を含む運営費の支援について、開設時期に合わせて病院と協議する」と答えました。
妊婦健診への公費助成を14回に
共産党は、かねてから妊婦健診14回の助成について,市から国に対して財政措置をとるよう求めることと、市が独自にでも助成するよう質問してきました。
こども本部長は「国が助成14回に向けて増加回数分の一部に国庫補助金を導入し,時限的な措置とする検討を行なっていると聞いているが、現在具体的な内容は示されていない。今後、関係機関との調整等、準備期間も必要なので、国の動向も注視しながら、スケジュールを含め検討していく」と答えました。