2011年度の川崎市財政の決算の審査をおこなう特別委員会が4日間開かれていますが、二日目の24日質問にたちましたので、テーマごとに報告します。
井田の社会参加支援センターの存続を
井田の障害者の福祉ゾーンには、全国に先駆けてつくった障害者への支援施設がありますが、建物の老朽化が進み、2008年に策定された再編整備計画にもとづき、再編が進められています。
長い期間をかけて進める再編整備計画のため、このほど計画の見直しがありました。そのひとつが、精神障害者への就労支援に大きな役割を果たしてきた「社会参加支援センター」を、廃止し、「市内3か所の地域就労支援センターに機能を分散する」というのです。
関係する方々から不安と、存続してほしいという要望が寄せられました。
① 私は、社会参加支援センターと障害者の就労支援を行っている地域就労援助センター(南部、中部、北部 の3か所)における2011年度の精神障害者の登録数と就労に結びついた人数について質問しました。
健康福祉局長は
社会参加支援センターは登録者数236名、就労者数 138名、
南部就労援助センターは登録者数22名、 就労者数は 14名
中部就労援助センターは登録者数22名、 就労者数は 4名
北部就労援助センターは登録者数89名、就労者数は 36名
と答弁しました。
(南部と北部は知的、身体が多く、北部は3障害ほぼ均等)
② 精神障害のある方への就労支援のありかたと社会参加支援センターで行っている支援内容について質問しました
健康福祉局長は
「障害の特性として状態が不安定で長時間安定した就労が困難なことが多いため、本人との信頼関係を構築し、本人の力を生かせる就労環境を整えていくことが重要であり、具体的には、就職面接に同行などの他、「お試し就労」や「グループ就労」等を行うことで、障害特性に併せた働き方を作り出している。 また企業に対して精神障害者雇用の理解を広げる活動を行っている」と答弁。
③ 社会参加支援センターの果たす役割についての市の見解と、今後の就労支援のニーズをどのように把握しているのか質問しました。
健康福祉局長は
「社会参加支援センターは精神障害者が医療のみの対象とされていた時代から、全国に先駆けて精神障害者の特性を勘案した地域生活や就労の支援を行い、地域や企業への啓発を行ってきた。現在は福祉サービスの対象となり地域に精神障害者を支援する事業所が増えてきているため、今まで培ってきたノウハウを地域に伝える役割を担っていると考えている。
平成18年から精神障害者も雇用率にカウントされるようになるなど、雇用促進の支援策も充実してきており、登録者数が年々増加していることから今後もニーズは増えていくものと考えている。」と答弁しました。
④ 私は、平成17年から23年までの本市の人口増加率9,1%に対し、精神障害者の手帳所持者数は89,3%と大きく上回ることを示し、「町で暮らそう21世紀」をテーマにした本市の「障害者ノーマライゼーションプラン」の理念からも、ニーズはさらに大きく増加することはあきらかであり、就労支援の強化が強く求められていると主張し、それなのに、このほど市が示した再編整備計画には、社会参加支援センターの就労支援について「市内3か所の就労援助センターに機能を分散する」のみの記述だ。これでは納得がいかない、不安だという声が寄せられている。障害特性に添った取り組みを行い、就労者数の実績も高く、さらに企業への理解を広げる活動を行っている社会参加支援センターを継続することを含めた就労援助体制の強化にむけて、当事者や、登録されている方々、地域で支援している事業者の皆さんの意見を尊重し、反映するべきだ、と質問しました。
健康福祉局長は
「従来の1箇所集中から地域での支援に移行し、併せて専門性を確保する観点から市内3か所の就労援助センターにおいて対応する方針とした。社会参加支援センターが行っている精神障害者に対する就労支援のノウハウの継続や、地域での支援を行うための体制整備等については、今後、(仮称)中部リハビリテーションセンターの整備にあわせて検討してまいります」と答弁しました。
私は、社会参加支援センターがこれまでになってきた活動や役割は重要であり、その機能は継続すべきだ。当事者の皆さんが不安のない体制を整えるべきだ。
3か所の就労援助センターと連携し、バックアップするために専門的な機能を存続することを強く求めました。