このまちで子育て

昨年を上回った認可保育所の入所不承諾

2009年3月17日

2月から3月にかけて、保育所入所の不承諾を受けた方々から、悲痛な声が議員団や私にもたくさん届きました。「A6ランクでもだめだった」「育児休業あけで4月復帰なのに、近くの祖父がたまに働いているのにかかわらず見てもらえるからと1点減点され入れなかった」「就労先が内定していたのに入れなかったため、内定とり消しになった」などなどです。
3月4日の共産党の代表質問と、3月10日に私の行った予算審査特別委員会での質問から保育所の待機児童解消策についての要旨を報告します。

保育所にはいれない通知が2324人に届く、何とかしての叫び!
高津区が7行政区で一番多い不承諾

2月20日、認可保育所の入所申請者に入所の内定と不承諾の通知が配送されました。09年度の保育所入所の新規申請児童数は昨年同時期より658人増えて5953人になりました。そのうち内定数は388人増えて3629人ですが、不承諾数は270人増えて2324人にものぼり、入所申請したのに約4割が不承諾でした。中でも高津区は申請1067人中、不承諾は全区の中で一番多く472人、不承諾率は44%に上りました。

人口急増の上に経済危機が幼い子どもを持つ家庭を直撃
4月に向けて、今年は保育緊急5ヵ年計画の中で最大の入所枠を増やした【6箇所の新設園の整備や3箇所の小規模認可保育所など】にもかかわらず、不承諾が昨年を上回ったのは、この間の人口急増のうえに、未曾有の経済危機が、幼い子どもを持つ家庭に、経済的困難をもたらし、「働かないと食べていかれない」「すぐにでも預けて働きたい」という生活実態から保育を必要とする人たちが急増しているからと思います。

AランクだけでなくB、C,Dランクも保育を必要としている状況はおなじ
最も入所要件が高いとされているAランクでも、「同ランク内での選考指数」によって加点,減点で選考せざるを得ない状況のなか、ましてやパートや自営などのB,Cランクや、就労先が確定しているDランクは、保育を必要としている状況は同じなのに、現状では入所の可能性は殆どないに等しい状況です。

おなかま保育室にも345人の定員に583人の申し込みが殺到
特に今年は、乳児を持つ不承諾の人たちの多くが、おなかま保育室に殺到しました。14か所、定員345人に対し583人の申請があり、14か所すべてで受け入れ予定数を超えた申請で、認可保育所と同様の厳しい選考状況でした。高津区では3箇所、定員79人のところ116人の申請が寄せられました。ゼロ歳からのニーズとともに、保育料が、認可保育所に準じ、前年の所得によって設定されていることからも、おなかま保育室のニーズが高いことを示しています。

市は、おなかま保育室の廃止、減少計画を止めて存続を
しかし、保育緊急5カ年計画では、おなかま保育室を廃止、減少し、かわさき保育室へ移行させる計画です。待機児解消ができないまま、今年の4月に3箇所のおなかま保育室の廃止をきめてしまったことは性急過ぎたとしかいえません。厳しい生活実態の方々の砦としても、待機児解消策のためにも存続すべきことを求めました。

保育緊急5ヵ年計画の見直しで抜本的な認可保育所の整備を
市は、この事態を受けて、早急に保育緊急5カ年計画の見直しを行い抜本的な認可保育所の緊急整備を行うべきです。共産党の質問に対し、市は、新年度入所状況が確定し、詳細の分析を行った後、その状況をふまえて可能な限り早期に見直しをおこなうと言いましたが、保育を必要とする人数に、B,C、Dランク、そして、仕事を探す求職中のEランクも含めた推計をたてなければ、待機児解消は出来ないことを厳しく指摘しました。そのための基本は認可保育所の緊急増設でうけいれの拡大を図ることです。公有地の活用や,合築も視野にいれた増設計画をたて、今回の見直しで真に待機児が解消できる計画にすべきです。

地域保育所からかわさき保育室や認定保育所への移行で補助の増額を
認可保育所に入れなかった多くのこどもたちが、現実的には入所する認可外保育所ですが運営が厳しく見通しが立たないという声も聞きます。こどもの成長は待ったなしですから、地域保育所への補助の増額や、基準に合致しているところは認定化、かわさき保育室への移行などで支援することが必要です。

津区内の緊急増設も求めました
保育緊急5カ年計画では、高津区の今後の増設計画は60名定員の認可保育所がたった1箇所だけです。不承諾が一番多い区なのですから、これでは到底足りません。あわせて、4月時点の待機児童に対する緊急対策も求めました。

引き続きとりくんでいきます。