決算審査特別委員会で質問
公営保育園と民営保育園の運営費の差を理由にして、お金がかかる公立保育園をもっと民営化しろという議論が、今議会でもありました。 コストをもっとさげろという議論について、私は子どもの育つ保育園の運営費が安ければ安いほどよいという議論はありえないと思います。公民の運営費の差は保育士の経験年数の差、そのものです。ベテラン保育士の保育経験にうらづけられた保育技術、保育知識、保護者や地域のお母さんたちへのアドバイスは、子どもの育ちを保障する保育の現場には必要です。
そこで次のような質問をしました。
① ・2011年度決算ベースで公営保育所と民営保育所の年間運営経費
・ 入所児童一人当たりの月額経費、
・ 公営と民営の運営経費の差額の要因について質問しました。
子ども本部長は
公営保育所は
68箇所、113億3,796万2千円、1人あたり月額14万842円
民営保育所は
117箇所、132億9,273万円、1人あたり月額10万9970円
公民の運営費の相違は
認可保育所として、公民の間で保育内容や給食などに差異はない。運
営経費のなかで、大きな役割を占めているのが人件費であることから
その影響が差になっている。と答弁
②保育所職員の経験年数、職員の配置基準は同じか。公営保育所でこの5年間の新卒者の採用は何人か。
子ども本部長は
公設公営保育所は 1,094人、21年7ヶ月
公設民営保育所は 355人、 6年4ヶ月、
民設民営保育所は 2,200人、 5年7ヶ月
保育士の配置基準は公民とも同一の基準で配置している。
保育所に配属になった保育士の新規採用は過去5年間で28人と答弁。
人件費の差はまさに経験年数の差です。新卒者が5年間でたったの28人。民営 化の推進という市の政策で、わずかしか新卒者を採用してこなかったわけです。一方で民営においても働き続ける方が多くなればベテランが増え、経験年数があがるわけです。
公営保育所について
③
・ベテラン保育士が多いという利点を生かした保育についての見解
・ 区の認可外保育園等の保育士対象に公開保育や交流保育など、認可外保
育所との連携をどのように行っているのか
・ 出張保育や保育相談など地域の子育て支援にどのような役割を果たしているの かを質問しました。
子ども本部長は
・ 経験豊富な保育士のこれまで蓄積された保育のノウハウを活用し、地域の子ども・子育て支援、多様な民間運営主体に対する支援、保育所人材の育成などの役割を担う「新たな公立保育所」を、区を基本とした一定エリアごとに設置するものとした。
・ 認可外施設との連携については、保育士研修会、交流保育。情報提供な
ど保育の質の向上にむけ、各区の特色を生かしながら取り組んでいる。
・ さらに地域の関係機関との連携により、出張保育や子育て支援を実施するなど入所児童のみならず地域の子育てを支援し、保育力の向上に寄与している。いずれにしても、公立保育所の再構築を検討する中で引き続き本市の保育の中心的役割を担う施設として考えている。と答弁しました。
④新たな保育士のない厳しい状況のもとで、現状でもかなりの取り組みを行っている。今後さらに役割を強化するということですが、職員の配置を増やべきだと質問しました。
子ども本部長は
新たな公立保育所に着いては通常の保育に加えて
1・親と子の体験保育や子育て相談を継続するなど、地域の子ども・子育て支援の機能強化を行う。
2・公民保育所のネットワークづくりや交流保育を実施することで、民営保育所等へ支援を強化し、保育の質の向上、均一化をはかる。
3・民営保育所の職員を対象として、公開保育や、事例検討研修等を実施することで、保育の質の向上を図るとともに、効果的なジョブローテーションを行うことで、保育行政を担う人材の育成を図って参りたいと考えている。
従って、これらの機能をになっていくための適正な体制の構築について、関係局と協議・検討していくと答弁しました。
強化、付加する機能を担っていくための適正な体制の構築を関係局と協議するとのことですが、現在、現状の職員配置のなかでも、出張保育に保育士を送り出したり、交流保育を行うなど、かなりの地域の子育て支援や認可外保育所との連携を担っている訳ですから、来年度からでも新卒者を採用するなどして体制の構築をはかることを要望しました。