このまちで子育て 議会活動報告

4会派提案の「川崎市こどもを虐待から守る条例」の審議運営について

2012年10月5日

自民、民主、公明、みんなの党の4党が共同提案した条例案が、市民委員会では全く議論されず、議会最終日の10月3日本会議にて提案され、その場で、共産党竹間団長が質疑と討論を行い、その直後、採決が行われました。
本来、委員会において骨子案に続いて条例案も十分議論し、全会一致で条例をまとめるべきでした。

私たちは児童虐待から子どもを守るために、代表質問などで取り組んできましたから、その思いは一致しています。だからこそ、提案された骨子案の内容について児童虐待防止法の法律の中身に照らしてどうか、また、昨年4月に川崎から他都市に引っ越し、間もなくおこってしまった虐待死亡事例から、児童福祉審議会が課題と提言をまとめた報告書を何度も何度も読み返し、今、川崎でどんな取り組みをすることが子どもの人権をしっかり守り、虐待をなくすことができるかを勉強してきました。

だからこそ、提案された骨子案について真剣に議論したのです。しかし、条例案については議論がされませんでした。開かれた議会を目指して検討が進められているなか、委員会で決まった結論と異なる運営をくりかえし押し付けようとし、最後は何時間もかけた骨子案を突然取り下げ、審議を打ち切ってしまうやり方は、議会のルールを踏みにじるやり方で、やってはならないことです。子どもを虐待から守る条例の骨子案だからこそ、丁寧な審議、開かれた審議こそ必要でした。
以下、審議過程について述べ、内容については、次に報告します。

審議の経過
( 9月27日)
27日の市民委員会において、同委員会に所属する議員の一人から提案されたのは、同条例の「骨子案」でした。27日は、市民からの意見聴取と市民参加の議論がされ、そのことは29日付でホームページに掲載しました。また、同委員会に所属している3人以外のプロジェクトチームのメンバー議員の出席要請がだされ、そのことについて議論され、最終的に、「委員会手引き」に規定されている「委員会以外の委員(議員)の出席について」にのっとり、「審議の途中で必要と認めた時に、出席を認める」という結論で27日は終了しました。

(9月28日)
ところが,翌28日、その結論を覆し、委員会開始の冒頭から委員会外のプロジェクト議員の出席をさせたいという、蒸し返しの運営内容を委員長が持ち出したことで、14時とされた審議開催時刻が大幅に遅れ、委員会の開催が召集されたのは17時すぎでした。
質疑の途中で委員会外委員の出席要請が、プロジェクトの委員から要請され、それを認めると確認して19時頃に終了。

(10月1日)
骨子(案)の内容についての議論が本格的に始まったのは10月1日
午前10時から。午后10時をすぎるまで議論を重ねてきましたが、各委員から出された要望を取り入れるため、その要望事項の確認と条例案にどう反映するかの検討結果をまとめると言って休憩をとったにもかかわらず、休憩後、検討結果ではなく、既にプロジェクトチームでまとめて骨子案のなかに盛り込まれたものが配られ、さらに、資料として、すでに出来上がっている条例案を提出したいとの提案がされました。その時点でまだ質疑中に資料請求した資料も配られていないものもありました。

論の末に骨子案の取り下げ
これは休憩前に委員長がまとめた発言とまったく違ったものでした。そこを追求されると、不意打ちをかけるように休憩が要求され、休憩後の夜12時近くになって、提案委員から、突然、骨子案を取り下げるという発言がありました。

骨子案の審議は途中で、審議を続ければ全会一致になる可能性もあったにもかかわらず、突然取り下げという形で一方的に議論を打ち切り、え?なに?と言ってる間に、提案会派やプロジェクトチームの方々がさっと退席してしまって終了するというまさかの展開でした。
こうした委員会運営のやリ方をしてまでも、何が何でも今議会で成立を期すということでしょうか。中身についての議論を丁寧に行い、本当にこれならいけるという一致点を見いだす努力を途中で打ち切るのはあまりにも拙速です。