11月9日の健康福祉委員会で「NPO法人川崎地域腎臓病連絡協議会」からだされた陳情2本の審査が行われ、「2013年度予算策定に際し、重度障害者医療費助成制度について、障害児者が負担なく医療が受けられるよう陳情します」は全会一致で採択されました。また市は来年10月予定で、精神障害者1級も対象にするという計画を初めて委員会に報告がありました。
重度障害者医療費助成制度は、命を維持するために日常的に医療を必要とする重度障害者の皆さんにとって、まさに命綱とも言える大切な制度です。神奈川県が昭和48年度に100%の補助率でスタートさせましたが、県は数回にわたって補助率を削減し平成16年度以降は政令市3分の1、他は2分の1に削減しました。さらに平成20年には通院1回200円、入院1日100円の自己負担額導入、65歳以上の新規対象者を対象外とし、21年には所得制限を導入しました。この県の削減に対し、川崎市は、県内の多くの自治体もそうですが、県が削減した部分を市費で補填し、従来の制度を継続させてきました。
陳情は、多くの方が週3回、1回4〜5時間の人工透析をしないと命をつなぐことができない透析患者のみなさんにとって、県が補助金を削減あるいは廃止すれば、この制度の存続が危ぶまれると心配し、これまで通り継続してほしいという切実な願いです。
行政は、この制度の維持継続は重要と考えている。県の行革による補助金削減については、他の自治体と一緒に継続を県に働きかけていく。また、補助金の政令市以外との格差是正や、かつての100%の県補助率の復元を今後も要望していくと説明し、川崎市の第4次の行革プランには、制度の継続性と安定性のために、課題を検討するとしているので、今後、何らかの変更もありえると回答しました。
精神障害者1級のかたも制度の対象にすると表明
市は説明のなかで、これまで、対象外だった精神障害者の方のうち、1級の手帳をお持ちの方を来年10月から対象者に加える案を初めて委員会に報告し、11月16日から12月18日までパブッリックコメントを行い、来年の2月に条例改正議案を提出予定というスケジュールを示しました。県下では既に19自治体が精神障害1級および1・2級を対象者にしています。家族会の方々が議会への請願を繰り返し行ってきたことが実現の道を開きました。共産党市議団は、代表質問でかなりの回数とりあげ、精神障害者の方も対象とする様、実現を強く求めてきましたので、この報告はうれしかったです。
私は、人工透析中の食事はかつて治療食として保険適用だったが、確か5年前と思うが保健適用外となった。また重度障害者にとって命を維持するために日常的な医療が必要であり、病気になりやすく、なおりにくいと伺っている。入院には長期になることも多く、保護者の付き添いなど要求され保健適用外の差額ベッド代等の負担が大変厳しいと聞いている。保険適用外のこれらの自己負担額が大きく、この助成制度の存続がいかに重要であるかを主張し、県に対し、補助金削減を行わない様強く要望するよう求めました。