このまちで子育て

認可保育所の最低基準を守るべきことを市に質問 さらに緩和するなの国あての意見書を賛成多数で可決―12月議会

2009年12月24日

認可保育所の最低基準を守るべきことを市に質問 厚労省は、全国一律で国が定めている認可保育所の面積の最低基準について、待機児童の多い都市部の一部に限り、待機児解消までの一時的措置として、地方自治体の条例で定めることができるよう見直す方針を打ち出しています。
12月議会の代表質問で「市は最低基準を守り、認可保育所の緊急増設こそ推進すべき」と市の最低基準に対する川崎市の見解と対応を質問しました。
以下は私たちの主張と後段はそれに対する子ども本部長の答弁です。

戦後まもなく、これより下回ってはならないとつくられた最低基準

現行の最低基準は1948年(昭和23年)に、まさにこれより下まわってはならないとして定められたものです。この基準、例えば2歳児6人と保育士1人に最低保証されるのは約畳7畳です。ここに家具も置き、食べる、寝る、遊ぶのすべてを営むのです。この間、新聞報道で保育室いっぱいにぎっしり敷かれたお布団の写真が掲載され、これ以上すし詰めにして、安全や保育の質が保てるのかといった論調の報道も多く掲載されています。

切り下げはこどもの発達に応じた保育をさらに困難なものにする

児童一人当たりの面積の基準は、諸外国と比べても低い状況にあり、今年3月に発表された厚生労働省の委託研究報告書〔全国社会福祉協議会による〕でも、「現在の面積基準を更に切り下げることや、切り下げられる仕組みを導入することは、一人ひとりのこどもの発達に応じた保育を更に困難とするものであることから少なくても、現行の最低基準以上になるよう取り組みを進めることが重要である」としています。
さらに最低基準は、厚生労働大臣に最低基準を常に向上させる努力義務を課しており、この義務をどう果たすのかと言うことこそが今問われていると思います。

最低基準の緩和は成長・発達を保障する国の責任を放棄するもの

最低基準の緩和は,子どもがすこやかに成長・発達する環境を守る国の責任を放棄するものであり、一部の地域とはいえ、最低基準を緩和しこれを下回る水準を容認することはこどもたちが今以上に狭い環境で生活することとなって、こどもの成長発達にとって見過ごせない事態が予想されます。
保護者はわが子の健全な成長を願っており、認可保育所の入所を切望している待機児童の保護者も劣悪な施設への入所は望んでいません。本市は認可保育所はもちろん、認可外保育所の基準も国の最低基準に準じています。この最低基準を緩和することは川崎の保育の環境悪化につながります。
待機児解消に今必要なのは、認可保育所の緊急増設です。

本部長の答弁全文

「保育所の設備と運営の基準は、児童福祉法の規定に基づき、児童福祉最低基準として、国の省令で定められているところでございます。これは、保育所が入所児童の福祉を確実に保障できるようにするためのものでございますことから、一定の基準を保持していくことは必要であると考えているところでございます。したがいまして、保育所の整備に当たりましては、入所児童の適正な生活環境を確保しながら、進めてまいりたいと存じます」

川崎市議会から国宛の意見書が採択されるー12月16日本会議

国あての意見書「認可保育所の面積の最低基準に関する規制緩和の見直しを求める意見書」が12月16日本会議で採決があり、賛成多数(共産党、自民党、公明党、ネット、無所属)で採択されました。民主党は反対でした。
意見書の内容は,上段の私たちの主張と同じ主旨です。