5月の風が心地よい今年の憲法記念日、「今こそ、 活かそう憲法を 平和に、暮らしに、被災地に」をスローガンに、今年も、5・3高津ピースパレード実行委員会主催で、ピースパレードが行われました。久本薬医門公園に集合し、実行委委員長のあいさつ、野末悦子先生をはじめ東北への被災地支援を行っている希望の翼プロジェクト代表、原発ゼロへのカウントダウンinかわさき事務局長、子育てままの願いなど、若い人たちの一言アッピールに続き、トランペット演奏、太鼓集団・響による力強い和太鼓、日吉エイサー隊による沖縄舞踊など、多彩な内容の集会でした。例年よりも多数の参加者でした。
その後、溝口の繁華街を「線路は続くよどこまでも」の替え歌で『憲法9条ある限り、平和は続くよどこまでも、僕らの未来にそのさきに、9条バトンをつなごうよ』・・・とうたいながらパレードしました。手には横断幕、プラカード、のぼりをもち、先頭のトランペット、ハモニカ等ミニ音楽隊の伴奏付きでアピールしながらパレードしました。
今年の憲法記念日は、改憲を巡る危険な動きが強まっているなかで迎えました。安倍政権は改憲の発議を国会議員の3分の2以上の賛成としている96条の改定を手始めに、自衛隊を国防軍に変える9条改定などを強行しようとしています。
安倍首相は、3分の2以上の賛成条件は厳しすぎであり、こんな厳しい条件は日本だけだと言っていますがアメリカでは議会の3分の2以上の賛成と4分の3の州議会での承認が必要であり、フランスは各院の過半数と両院合同会議で5分の3以上、ドイツは連邦議会の3分の2以上であり、憲法改定に厳しい条件を設けているのは世界の常識です。
それはなにより、権力の活動に縛りをかけることを目的とした憲法が、時の政権に左右されるようなことがあってはならないからであり、憲法は国の法律のなかで最高の法規だからです。
これを一般の法律なみに過半数に緩和することは、国家による権力の乱用から国民の自由を守るという憲法の根本精神を否定するものです。
憲法改定論者でも96条の改定は「憲法」を否定するものだと反対している学者もいます。
憲法前文は「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言」すると高らかにうたっています。これは、「基本的人権は、侵すことのできない永久の権利」(11条、97条)という規定とともに国民が国家権力を縛るという憲法の基本原理を示しています。96条改定論は時の政治権力が自らに都合のいいように憲法を変えやすくするものです
今、政治に求められているのは、憲法の原則を文字通り徹底し、実践することです。憲法を生かす政治です。96条も9条も改憲を許さない、その声をもっともっと広げなくてはと思います。