東京港大井埠頭のコンテナが7バースいっぱいに4~5段重ねになって幾重にも連なっています。そのコンテナを門型クレーンがひっきりなしに動いて移動させ、ガントリークレーンも動いていました。まずその躍動する光景に圧倒され、『ワー動いている!すごいコンテナ』と声をあげてしまいました。
そうです。川崎港のコンテナターミナルを何度か視察していますが、動いているのをほとんどみかけませんでした。年間のコンテナ処理能力は12万5千TEUあるのに、2011年度は3万2千TEU、3割を切る稼働率でした。川崎市は、そこにさらに大きなお金をつぎ込んでもう一基のガントリークレーンやバースをふやすなどの港の開発を進めようとしていますが、クレーンやバースを増やしてコンテナは増えるのだろうかと思わざるをえないところです。川崎港の今後のあり方が問われています。
そこで5月10日、日本を代表する国際貿易港として貨物取扱量が全国のトップクラスであるお隣東京港を視察し、実態や果たしている役割、今後の方向性をどう考えているのかを議員団で視察してきました。都の港湾局の課長さんが丁寧に説明し、青梅埠頭、大井埠頭、中央防波堤外側外貿コンテナ埠頭を案内してくださいました。
東京港は、首都圏4千万人の生活と産業活動を支える一大物流拠点として、コンテナ取扱量が増加し、コンテナの施設容量360万TEUに対し、平成24年度は過去最高の424万TEUに達し、そのために埠頭周辺で深刻な渋滞が発生しています。この日も、大井埠頭に向かう間、私達の乗った車の両脇、前方、対向車線は、大きなコンテナを載せるための大型トラックに囲まれていました。
現在、港湾の施設容量が足りなくなっているために、抜本的な機能強化を図る必要から既存埠頭の再編を進め岸壁をつくっています。
説明では、東京港は輸入港(輸入7対輸出3)であり、輸入したものを首都圏へ物流するのに東京港が便利として、荷主が判断して東京港を選んでいるので、その意向を尊重しているとのことでした。混雑している東京港から、川崎港へまわすというような話ではないということがよくわかりました。やはり川崎港は、市内経済の活性化のために資する、身の丈にあった機能をしっかり果たす方向性を堅持すべきと思いました。