議会活動報告

広島市のひきこもり相談支援センター、生活保護世帯の学習支援事業について視察しました

2013年5月16日

健康福祉委員会で、5月14日広島市、15日岡山市を視察しました。

ひきこもり相談支援センターについて

広島市はそれまで明確な相談機関がなかった「おおむね18歳以上で精神疾患が疑われない方」を対象に、平成22年1月に「ひきこもり相談支援センター」を設置し、相談支援を始めました。事業はNPO法人に委託して行っています。広島県も平成24年度に2カ所設置し3カ所を県と市が連携・協力しながら進めています。

3階建ての民家風の西部センターに伺い、責任者の方からお話をお聞きしました。相談は電話、来所、訪問、メールで受付け、平成24年度の相談延件数は合計2,468件でこの3年間増加し続けています。

初回の相談はほとんど親からで、隔週で相談を重ねて、しばらくしてから本人と会うそうです。信頼関係をつけながら訪問なども行うそうですが、訪問はリスクが高いとのことで、保護者との面談を重ねてから行うとのことです。
親が自信をなくし、あきらめている人も多いので、まずは親への支援が大切で、本人に対し家族の対応が変わると改善する、親に対するこだわりをなくすことで改善されるようになるとのこと。責任者の女性もお子さんが12年間引きこもりだったとのこと、相談員の男性もお子さんの引きこもりが長く続いたけれどもここの責任者の方に救われた。その恩返しに相談員をさせてもらっているとのことでした。自分自身の経験から、親の気持ちがよくわかるので親への支援を行っているとのことです。ここでは3年間で約7割の方が改善されているとのことです。

自室や家からほとんどでない閉じこもりが何年も続いた人もひとたび改善されると変わり始め、働き始めることもかたもおられるとのこと、中には、改善されて家庭教師から自信をつけて今は塾の先生をしている方もおられるとのこと。むしろコンビニなどには出かけるが、人とのコミュニケーションがとれない場合の方が改善に時間がかかるとのことでした。

この法人は2階部分に居場所があり、別に作業所をもっていて、その人にあった支援を行っています。個々に応じたなきめ細かな支援を継続して行っていてとても参考になりました。

川崎市の成人の精神疾患でないひきこもりの方の支援については、精神保健福祉センターに「ひきこもり相談担当係」をおき、電話、面接、訪問等の相談支援やグループ活動、家族教育、家族懇談会等の支援を行っています。常勤2名、非常勤4名の体制ということですが、平成14年度から行っているので実績と経験を積んでいるとのことですので、実態などを勉強し、視察で学んだことを生かしていけたらと考えます。