写真左:精神障害のある方が食事をつくることができる台所。 右:肢体障害のある方のお風呂場。表面が畳状で柔らかい。 |
開所して2ヶ月余経過した6月7日、井田山の美しい桜にちなんだ障害者支援施設「桜の風」を共産党市議団として視察しました。施設の大まかな概要は、3月22日に内覧会の様子とともに紹介しましたので合わせてご覧ください。
施設長から説明をうけたあと中を案内していただきました。
定員は施設入所が70名、短期入所が22名の定員総数92名です。これまでの「めいぼう」や「もみのき療」から希望する方を徐々に受け入れを行い、丁寧な支援を行うなかで安定して生活できているとのことでよかったと思います。これから徐々に地域の方も含め定員までの受け入れを進めていくとのことです。
施設入所の定員70名の内訳は、主に知的・身体・発達障害などで50名と、主に精神障害のある方の宿泊自立訓練が20名です。
短期入所の定員22名の内訳は、知的・身体の方を対象として14名に発達障害の方1名です。精神障害の方対象は7名ですがそのうち体験型宿泊支援が2名含まれています。
写真左:昼食時の1階の食堂。 右:1列づつ保冷と保暖になっています。 |
今、障害が複合しておられる方が多いので、3障害一体の施設『桜の風』はニーズにあっている。また「終の住処」ではなく「通過型」の施設であり、地域で暮らして、いろいろあった時に、施設がサポートしていきたい。医療的ケアや健康の不安をもつ障害者や行動障害のかたなどにも、こういう施設で安定して生活する中で、地域生活に移行できるような働きかけ、訓練をおこない、3~10年くらいのスパンのなかで地域移行ができるよう支援していくとのことです。
支援の中身は作業だけではなく、たとえば『バスののりかた』「レンタルショップでビデオを借りる」「理容院、美容院に行く」「図書館を利用してみる」等の体験をとおして、社会生活、地域生活の仕方を身につける支援も行っているとのことです。
近年、精神障害の方の病院から地域へ=『退院促進事業』が大切といわれてきました。しかし、精神障害を持つ方が病院から退院し、一挙に地域生活に移行するのは困難なことも多く、そのため病院に籍を置きながら、中間的な施設で一定期間、地域移行の支援を受けることで、無理なく地域移行ができるという要望をお聞きし、そうした事業を要望してきましたが、この「桜の風」では、市の単独事業として「体験型宿泊支援」として2名枠がとられ、これからその取組も始まるとのこと、よかったと思います。
こうした施設で支援を受けながら地域移行を果たし、安心して地域で暮らすためには、住まいをはじめ医療的ケア、生活支援、相談支援等のサポート体制を今よりさらに充実させなければなりません。
同時に、地域移行ができない障害の方々はたくさんおられると思います。
「親亡き後」が本当に心配という声をたくさんお聞きします。また医療的ケアが日常的に欠かすことができない重度重複障害のある方には、病院と併設型の入所施設を望む声もお聞きしています。こうした「通過型」の施設と同時に、やはり「入所施設」は必要だなーと思います。