障害者相談支援事業の再編について代表質問でとりあげました
この4月、これまで全市で35カ所あった相談支援事業が再編され、各区4カ所(基幹相談支援センター1カ所と地域相談支援センター3カ所)の計28カ所になりました。相談員を46人から63人に増やし、センターの場所も新たな場所を確保してスタートされました。
再編計画を2年程前に行政が提起した後、計画策定に当事者の参画がないことと意見反映について、当事者のみなさんから議会に陳情があがり、私は本当に充実する方向への再編なのか、当事者も参画し、意見反映すべきと議論してきました。なぜなら、心身障害者手当の対象者を2万人も対象から外し、浮いた財源およそ6億円で相談支援事業等を拡充するとしていたからです。(共産党は手当削減に反対し、相談支援事業は別途予算を組んで充実すべきと主張しました)
引き継ぎは大丈夫か?
箇所数が減ったのと委託法人の変更に伴って、これまでの利用者が新しいセンターに安心して確実につながったのかが一番の心配でしたが、健康福祉局長は「相談支援事業所と保健福祉センターと十分に協議を重ね、現在、利用者一人一人の事情に合わせた丁寧な引き継ぎを行っている」と答弁しました。
夜間休日対応は?
「夜間の緊急時に駆けつけてくれる体制があればずっと在宅で一緒に暮らしたい」という保護者の要望があります。市民説明会の資料に「緊急時に駆けつける」と明記され、実施要項に「夜間、休日の対応」を行うことが盛り込まれていますが、体制がとれているのか質したのに対し、「夜間休日の連絡体制を確保した(携帯で)」との答えですが、緊急要請の内容によって必要なサポート機関につなげる機能と連携が必要と思います。
夜間電話相談の時間短縮は当事者の不利益になる
精神障害者への相談支援はこれまで地域活動支援センターと併設で一体で行われてきました。精神障害を持つ方々の居場所としての機能も持ち午前10時から午後8時まで週4日実施し、夜間電話相談も午後11時まで実施してきました。ところが、再編後は、午後8時までが週2日になり、午後11時までの電話相談も午後8時までと短縮され、当事者や複数の相談支援事業者から、当事者の不利益になるとの声が寄せられ、どうして時間短縮したのか、これまでの内容がどう継続され、どう担保されるのか質しました。
局長は、再編にあたって、相談支援センターが緊急時24時間体制で、精神障害者を含めた相談体制をくむ等、地域活動支援センターと役割を明確化したと答弁しました。
精神障害の相談専門職種の増員が必要と考えます(後述)
しかし、24時間対応をになうのは、区に1カ所の「基幹相談支援センター」であり、ここは3障害一体の相談支援を行います。はたして精神相談の専門職と実績のある人材が確保されるのか。
特に精神障害の方がたの相談はこれまでつながってきた相談員との信頼関係が必要ですが、そうなると精神相談支援の実績のある法人が行う「地域相談支援センター」が各区1カ所ありますが、そこの開設は午後5時までが原則ですから、午後8時までの実施も検討すべきと思います。そのためには、センターにもっと専門職種を増やすべきと思います。地域活動支援センターと引き離したのが果たしてよかったのかも考えさせられてしまいます。
再編は、これまでどこにもつながっていなかった障害児者の掘り起こしも行い訪問もどんどん行うということでしたが、そのためには人員をもっと増やすべきです。障害を持つ方々の人権が守られ、安心して生活できるためのマネジメントを行うのが相談支援事業と思います。
今回の再編は障害を持つ方々にとって、とても大きな変更を伴っています。再編は4月に始まったばかりですが、市はこれからもっと当事者、家族、事業者の意見を聴取し事業充実に生かすことをもとめるものです。