ー質問その2
憲法25条に基づき生存権が保障されている生活保護制度。雇用破壊等が進むなか、受給者の増大を理由に8月からの保護費の減額とともに、憲法25条の基本理念は何も変えないといいながら、窓口で申請を締め付け門前払いがおこりかねない内容を含む生活保護法の改定案が国会で議論されました。
現行制度は保護申請は口頭でも可能とされ行政はそれに応じる義務があります。不当な門前払いが発覚すれば違法行為として断罪されます。国会でわが党の質問に厚生労働大臣及び副大臣は「憲法25条の基本理念の根幹は何も変えていない」「誰にでもうける権利(無差別平等)と個々の事情を顧みず機械的な対応をしない(必要即応)という大原則についても何も変わらない」と答弁し、「書類がそろわないと保護は受け付けないのか」の質問に、社会援護局長は「実際の運用を変えることは一切ない。そろわないとうけつけないものではない」と答弁しました。だとしたら条文化する改定は必要ないのです。
一方、福岡県北九州市の餓死事件では、申請を締め付けるいわゆる水際作戦が判決で断罪されました。この間、申請を門前払いされた人が餓死、孤立死に追い込まれ,遺体となって発見される事件が起っています。申請したくても書類にさえたどり着けない実態もあります。憲法25条に照らし、申請に対し機械的な対応をしないようにすべきと質問しました。
健康福祉局長は「きめ細やかな面接を行うことで生活実態や困窮の状況を把握しており、保護申請の意思が示された場合には、速やかに申請書を交付し受け付けている」と答弁しました。
市は、ワンストップ・伴走型の総合窓口を開設する計画を発表しましたがその内容について質問しました。
局長は『失業を中心に、居住、疾病、うつ、債務等複合的な課題を抱える生活困窮者に対し、生活保護に至ることなく早期に自立につなげるための支援 を行う相談窓口の開設を検討している。面接により生活実態の把握や課題の分析を行い、ハローワーク、福祉窓口等への面接同行や手続きの補助、居住の確保にむけた支援や居宅訪問による生活相談等を考えており、精神保健福祉士、社会福祉士、キャリアカウンセラー等の人材の配置を検討している』と答弁しました。
生活保護制度の谷間、はざまなために生活保護の支給を受けることのできない人への自立支援を行うとのことですが、今後も注視が必要と考えます。