議会活動報告

年金2.5%の削減中止を求める意見書の提出を(請願審査)

2013年8月28日

                                                                                                          お年寄り18  今年10月・1%、 2014年4月・1%、 2015年4月・0,5%と3年連続して計2,5%年金を削減することを、中止してほしいという意見書を国にあげてほしいという請願の審査が、8月21日、健康福祉委員会で行われました。

 

 

2,5%削減とは…

  「この2,5%削減」は、2000年から2002年の3年間、消費者物価指数が下がったけれど、高齢者と経済への悪影響をさけるために年金を下げずにすえおく「物価スライド特例措置」を行いました。その分を今後3年間で減らして行く。つまり、現在支給されている年金額は、2000年から2002年までの間に、物価が下落したにもかかわらず、年金額を特例的にすえおいた影響で、法律が本来想定している水準よりも、2,5%高い水準となっているというのが、2,5%削減の理由としているところです。

「これ以上年金下げないで!」が高齢者の声

しかし、これから年金額を削減する3年間はどんな3年間でしょうか。消費税が5%から10%へとあげられようとしている3年間です。さらに社会保障推進制度国民会議は「70歳から74歳までの医療費1割窓口負担を2割にする」「介護保険から要支援の人を外す=1割負担ではなくなる」「年収約300万円を超える世帯は介護保険の利用料を1割から2割負担にする」「年金受給開始年齢を68歳〜70歳にひきあげる」「マクロ経済スライドを毎年実施する」こと等々を決めるなど社会保障削減計画のオンパレードで、2,5%削減は、高齢者の暮らしを直撃するものですべきではないと主張しました。お年寄り22

   すでに2011年にも物価が下がったとして年金が0,3%減額されました。しかし物価下落というけれど下がったのは、パソコンやテレビ等で、食料品や生活用品は下がっていないのに年金が減らされ、生活が苦しくなったという声を本当にたくさんの方から聞きました。この間、介護保険料があがり、国保料も上がった方もたくさんいるのですからもっともです。すでにこの時から「私は国民年金でくらしている。これ以上下がったらくらしていけない」状態の方もたくさんおられる中での2,5%削減のおいうちです。

マクロ経済スライドについてやりとり

  質疑では、他会派の議員の「物価が上がれば年金もあがるのか?」の質問に「そうです」との課長の答弁に「請願文章に『マクロ経済スライドに連動し、限りない年金削減の流れがつくられる』と書いてあるのは齟齬があるのではないか」という一幕もありました。

私は『マクロ経済スライド』は年金加入者の減少率と平均的な年金受給期間の伸び率を「調整率」と称し、賃金や物価が上がってもこの調整率(平均0,9%)を差し引いた残りの率しか年金額を引き上げない仕組みだ。仮に物価が1%上昇しても、調整率の0,9%を差し引くので、年金額の増額分は0,1%しかあがらないのではないのか。と質問すると「そのとうりです」と課長は答弁しました。「ということは、年金の実質価値は下がるということだ。文章はそのことを言っている」と指摘しました。

今の社会状況は、10年前よりさらに厳しくなっている。高齢者の生活実態が厳しい中で、10年以上前の分をさかのぼってまで減額すべきではないと主張しましたが、他の会派は、「持続可能な年金制度にするにはやむを得ない措置」。「負担と給付のバランスは考えなければならない」。若い議員は「若い人たちが年金をもらう時に年金制度がなくなることがないように人口動態を調整するマクロ経済スライドは必要だ」として共産党以外の会派は「不採択」を主張しました。

採択を主張

負担と給付というけれど国費をもっと投入すべき。持続可能な年金制度、安心して老後を過ごせる年金制度にするための財源の確保について、国の税金のむだ使いをなくす等をはじめ私達は提案している。これ以上下がったら暮らせないという高齢者の実態から、削減中止の意見書をあげるべきだし、この請願を採択する」と主張しましたが、採決の結果残念ながら賛成少数(共産党のみ)で『不採択』になってしまいました。お年寄り10

社会保障の削減ストップを

年金や医療、介護などは健康で安心して生活ができるための憲法で保障された社会保障です。これが『持続可能な制度に』という名で、どんどん削られていけば際限のない削減になるでしょう。社会保障の充実は誰もが願うこと。給付と負担という考え方にたてば、これからの社会は際限ない国民の負担増と給付の削減です。ただのお金の問題になってしまい、社会保障ではなくなります。国のあり方としてそれでいいのかが問われています。国が憲法で定めた社会保障のために、国民が収めた税金を投入して最低保障年金を保障し、その上に個々のおさめた年金保険料に応じた年金を受け取る制度にすることが『持続可能な制度』ではないか!と審査を通じて強く思いました。