議会活動報告

2012年度の介護保険事業は計画通り進んだのか質問しました。(決算審査特別委員会)

2013年10月9日

お年寄り22現在の介護保険料は、川崎市が2011年度に、次期の「第五期介護保険計画・かわさきいきいき長寿プラン」期間内(2012,13、14年度)の介護サービス量の見込みを算出し,その量を基本にして算定しています。介護保険にかかったお金=給付費の財源内訳は国・県支出金が35%、川崎市が12,5%、第1、第2号被保険者の保険料が52,5%負担すると決められています。

2012年度は、「第五期計画」の初年度にあたり、市が計画した介護保険事業が、計画通り実行されたのかどうか,「介護保険事業特別会計」の決算結果をみると,不用額が19億円余もあり、見込みを大きく下回っている事業が多く見受けられることから、検証する質問を行いました。

介護施設サービス費が計画よりも12億9千万円も下回っているのは,2012年度中に開設予定の特別養護老人ホームの開設が13年度にずれ込んだことで,結果的に12年度中の開設が1カ所もなかったこと等によるとのこと。

住み慣れた地域で可能な限り自立した生活を送ることを支援する「地域密着型サービス」についても、認知症高齢者のグループホームの整備が計画に達しなかったこと、さらに、2012年度から在宅生活を支えるために,小規模多機能型居宅介護と訪問看護への支援を行うサービスとして,新たに導入された『複合型サービス』は、第5期計画期間中に小規模多機能型と合わせて49カ所の設置をめざすとしていますが,12年度はゼロでした。要支援1,2の方の『介護予防訪問介護』も見込みを下回りました。

さらに,第5期期間中の重要な施策として位置づけている「地域ケア体制の推進」の要ともいえる「地域包括支援センター機能の充実強化」については高齢者人口の増加に伴う「地域包括支援センター」の専門職種の欠員があること、また「わたしの町のすこやか活動」についても、役員の高齢化や高齢者不足等で、団体の統廃合や新規の活動団体が少なくなっているとの答弁でした。市が行う事業ですから健康福祉局と各区役所の支援を強く求めました。

サービス計画量よりも実績が下回った場合,第1号被保険者が収めた保険料の余った分は翌年度の「介護給付費準備基金」に積み立てますが、積立額は6億6,672万円との答弁でした。

介護保険制度は,介護給付費が増えれば介護保険料が連動してあがるという矛盾があります。介護保険が始まった2000年度の第1号被保険者の基準保険料は2,953円でしたが2012年度から5,014円へ、当初の1,7倍になりました。これは県下で最高額です、年金はこの間下がっていますから大変な負担増です。

現在、介護給付費の国庫負担割合は25%ですが,介護保険が始まる前は50%でした。25%のままでいこうとするから、現在、厚生労働省が検討しているように、介護保険から要支援1,2の人を外すことや、利用料を2割負担に引き上げることになってしまいます。介護保険は介護の社会化という理念からスタートしました。高齢化が進む中、給付が増えるのは当然ですから、それに伴って保険料を上げ続けるのではなく、国の負担割合を計画的に戻すこと。国民にばかり負担増を求めるのではなく,高齢化にともなって国が社会保障として充実させるのは当然の責務と思います。少なくても、これは全国市長会と町村会も要求していることだと思いますが、まずは国の負担割合を5%引き上げ30%にすることが必要と思います。

特別養護老人ホームと介護人材確保の支援については次回に報告します。