議会活動報告

「介護職員の処遇改善を図るため、国への意見書の提出を求める陳情」の審査がありました

2014年2月14日

1月31日、健康福祉委員会で神奈川県医療労働組合連合会から提出された上記の陳情審査がありました。

福祉介護05介護人材不足が社会問題になり、国は平成21年10月から介護職員処遇改善交付金を手当てし、国庫負担で賃金引き上げ等に取組む事業者に交付しました。しかし、平成24年度からは介護報酬に組み込み、介護職員処遇改善加算としました。その費用の1割を事業所の利用者が負担し,9割を介護保険特別会計が負担する事にしましたが、このやりかたは介護保険料のアップにも連動するものです。この加算は平成27年3月までとなっています。

陳情は、「介護を担う介護職員の不足は現在でも深刻で,離職者が多い状況が続き,事業者は介護職員の確保に苦慮している。介護職員の賃金実態は全労働者平均のおよそ3分の2程度で10万円以上も低い実態。深刻な介護職場の人材不足を解消するには一刻も早く全労働者の平均賃金に引き上げる事が必要。一層の介護職員の処遇改善を図る事が必要であり、国民の負担増にならない方法での改善を求め、①国の責任による予算増と賃金改善の施策を拡充する事。②介護職員処遇改善の対象職員を介護職員以外の職種にも拡大する事について国への意見書を提出してほしい」というものです。

はじめに行政から、厚生労働省等と川崎市の資料にもとづき「介護職員を取り巻く状況」の説明があり、まさに陳情に書かれている実態どおりでした。

〈賃金水準・平均勤続年数〉 平成24年の全職種平均が325万6千円・11.8年に対しホームヘルパーは208万5千円・5.1年、 福祉施設介護職員は218万4千円・5.5年

〈離職率〉全産業合計が14.8%に対し介護職員は17.0%(平成24年)

〈有効求人倍率〉職業計0.88に対し介護サービスの職業は1.89(平成25年)

〈高齢化率〉平成12年・17.4(川崎市12,4)で平成25年は25.1(市18,0)

〈介護職員数〉平成22年度約7,100人から平成27年度には約8,500人に。 年間約300人の増加が必要と推計。

私は質疑で介護労働センターの事態調査によると、離職率が高いのは「仕事の内容に比べて賃金が低い」が43.3%と一番多く、人手が足りない,有給がとりにくい,身体的負担が大きいとなっている。業務に対して社会的な評価が低く、専門性があるのに正当な評価をうけていない事への国の対策が必要である事を主張しました。

川崎市高齢者実態調査で、介護事業所の7割が「人材確保が困難」と答えています。介護現場で働くケアマネージャー、看護士や作業療養士、栄養士、調理師などは介護報酬の加算の対象になっていないが、こうした専門職が役割を分担しながら,連携して介護にあたっているのだから、処遇改善の対象に介護職員以外の職種にも拡大する必要があると主張しました。

陳情文の「国民の負担増にならない方法での改善を求める」について、処遇改善を介護報酬に組み込んだ事で介護保険料のアップに連動した。高齢化が進むとともに介護給付費は増えるが、増える部分を国民の負担増で行えば、今でも保険料が高いのに、際限なく保険料があがってしまう。そうではなくて、国庫負担割合を高くすべきだ。介護保険が始まる前は国の負担割合は50%だったが、今は25%。5%あげることをたしか全国市長会や町村会長からも要望していたはずと主張しました。

やりとりのなかで,行政が昨年の暮れに、市内の介護現場の労働実態の調査を行い、現在まとめているという事がわかりました。賃金、勤務実態や悩み等を把握する目的だということ。アンケートのなかで職種もきいているので、一定分析する。処遇改善と人材不足の解消には、国の制度設計,介護事業所の努力,市の支援が必要とおもうので実態把握を行った上で検討するということです。また、市として加算について国への要望を行っている。国は、加算について,介護報酬でみて行く方向性だが、4月に介護事業の経営実態調査を行うと聞いているという説明もありました。

審査の結果、無所属委員も含め共産党以外の会派は、「受益に対する負担をどう分かちあっていくのかを考えるとこの内容で意見書をあげることはできない」「財政が厳しいのだから、ない袖は振れない」「労働実態が厳しいのは,介護職員だけではない」などの意見がでて、「意見書提出なしで不採択」を主張しました。私達は、「介護現場の厳しい実態はあきらかで、安心して介護が受けられるようにしてほしいというのは国民の強い願いだ。ない袖は振れないというけれども,お金の使い方だ」と「意見書をあげ、採択」を主張しましたが、賛成少数で否決でした。財政難を理由に社会保障を後継に追いやる考え方に、米国言いなり、大企業言いなりの税金の使い方をあらためれば財源は充分確保できるといいたい。