「平成25年度高齢者実態調査」によると、介護保険事業者に対し行った「事業を展開する上での問題点・課題」の設問に対し、「人材確保が困難」をあげているのが居宅介護サービス事業所が75,1%に(2010年度調査より4,3%増)。介護保険施設等は84%(13,8%も増)にものぼり、人材確保が一層困難になっていることが浮き彫りになっています。
市は,高齢者人口の増加に伴い、必要な介護職員数を2010年度・約7,100人から、2015年度には約8500人と推計し、毎年約300人の増加が必要としています。高齢者施設を整備しても人材の確保が出来なければ、サービスを提供できません。2014年度の人材確保対策に全力を挙げるべきと主張し、取組を質問しました。
*局長は「福祉・介護職場への就労支援として介護職員初任者研修を終了して,市内事業所で介護職として一定期間働いた実績のある方に対し,研修受講費の一部を補助する事業や,失業者の資格取得と雇用機会の創出を組み合わせた事業等を来年度も行っていく。特に無資格の失業者が市内の介護保険事業所で働きながら介護資格を取得し,6か月後に正規雇用としての就労をめざす「介護人材育成雇用事業」が一定の効果を上げていることから,国が新たに積み増しした県の「緊急雇用創出事業臨時特例基金」を活用することにより,対象人数をこれまでの50人から70人に拡大する予定」と答弁しました。
毎年約300人の介護職員の増加が必要と見込んでいますがそのうち70人の創出ができるとしても、とても解消まではいきません。先の健康福祉委員会において,市内介護事業所に対し,別途、独自の労働実態調査をおこなっているとのことでしたが、この調査目的と、調査の結果を人材確保対策にどう反映するのか見解と対応を質問しました。
*局長は、市が行った「介護労働者の就業実態と就業意識調査」は,介護人材の確保・定着に向けた施策の資料とするために,市内の介護保険事業所で働いている職員を対象に,今年度実施した。今後調査結果の集約・分析を行った上で,来年度に策定する「第6期計画」の人材確保策に反映させていきたいと考えている」と答えました。
市は,国のメニューを使って確保対策をしていますが、それだけでは人材不足の解消にはほど遠いものがあるのは高齢者実態調査の結果が示しています。財団法人介護労働安定センターが行った2011年度調査では介護職の離職率は20%と他業種と比べてもずば抜けて高く、中でも非正規職員の入れ替わりは特に厳しいと指摘しています。国が抜本的な拡充を行って社会的な位置づけを高めることが必要です。
同時に国待ちではなく,自治体として,例えば千代田区は08年より人材確保とスタッフの定着支援として,介護施設の非正規から正規職員への格上げ、パート職員の時給引き上げ等の処遇改善に1施設あたり584万円の補助金をだし、さらに職員にも住宅手当の支援を行っているとのことです。
本市も独自の調査をおこなったのですから独自の対策を打ちだすべきです。