このまちレポート

7月17日、NPO法人川崎市ろう者協会の事務局長さんと懇談しました

2014年7月23日

DSC01601市内の聴覚障害者の福祉の拠点として、2000年1月に開館した川崎市聴覚障害者情報文化センターは、聴覚障害者にとって必要な情報を提供するとともに、聴覚障害者の文化活動や社会活動などを支援し,聴覚障害者の福祉の増進を図る目的として設置されました。NPO法人ろう者協会を始め中途失聴難聴者協会、関連団体の10数年にわたる設置運動が実を結んで開設されました。

場所は中原区井田三舞町、設立時から運営を担ってきた川崎市社会福祉協議会が,2006年から指定管理者として管理運営を担っています。

川崎市聴覚障害者情報文化センターでは、H19年度から日常的に手話通訳に関わる業務を担う人が4名から2名減った事により、様々な問題が頻出しており、手話通訳派遣コーデュネーター1名の正職員の増員を。また手話を学ぶ市民の拡大を図るための入門過程を各区へ展開することや社会活動としての手話サークルの運営へと発展させる支援を担うコミュニティーワーカーを配置するための人件費の積算をしてください。そのための指定管理料の増額が必要だと思います。

聴覚障害者が地域のなかで生活していく上で、近所の住民や保育所や学校の保護者や先生、買い物するお店の店員や会社の同僚などあらゆる生活の場面での社会的コミュニケーションの保障が必要です。それを実現するために手話奉仕員養成事業があるとのことですが、現在、川崎市では2コース(今年は川崎区と高津区)行われています。川崎市の人口規模では最低でも14コースの入門課程を実施する必要がありますが、最低でも各区で入門課程(7コース)を実施していただきたいという要望です。コミュニケーションの手段として、手話が言語という位置づけで社会に浸透する必要性があると思います。

情報文化センターの次期の指定管理者の公募については、障害に関する専門知識や優れた対人援助技術を持った人材が揃って初めて的確な福祉サービスを提供できることから、公募の度に管理者が変わると運営や雇用が不安定になり適切な支援が困難になる事から「非公募」にしてほしい。福祉の分野は本来指定管理者制度はなじまないものです。という主張は、私達の主張と全く同じです。そしてろう者協会、川崎市中途失聴・難聴者協会、川崎市登録手話通訳者団,川崎市登録要約筆記者協会の4団体が聴覚障害者情報文化センターの当事者運営をめざす準備委員会を立ち上げ、「社会福祉法人神奈川聴覚障害者総合福祉協会」による運営を実現するための取組を進めているとの事です。行政は非公募も検討の視野にいれはじめました。当事者運営ということも、前回の指定管理者の選定のときからのみなさんの要望であったと記憶しています。

その他の項目もいろいろ懇談させていただきましたが、区役所に聴覚障害福祉の専門職員の配置、職業安定所における手話協力員の配置時間の拡大を。また、選挙の政見周知のための手話通訳,要約筆記については、選挙管理委員会の公費による平等な派遣制度の新設を総務省に働きかけてください等の要望は当然の権利として実施されるべきと思います。