認定こども園法の改正で政令市が認可・指導監督権をもつこととなり、幼保連携型認定こども園の設備、運営について認可基準条例を定める事になりました。
職員の数について、市の条例案は、国の最低基準のとおり、0歳児3人に1人、1,2歳児6人に1人、3歳児20人に1人、4歳児以上おおむね30人に1人としました。
幼保連携型認定こども園について
認可保育所と同等の職員の加配を行うと答弁
私達は、京都市が国基準に上乗せして1歳児15人に1人、3歳児15人に1人、4歳児20人に1人、5歳児25人に1人の案を示していますが、本市もこうした配置基準を条例化できないか質問しました。また、国の基準どおりであるならば、川崎市の認可保育所と同じように、休憩休息保育士として最低基準上の保育士4人に1人の加配と年休代替保育士として各施設に1人加配、看護師,栄養士、調理師、事務職員の配置、障害児の受け入れへの加配など、新制度でも従来の認可保育園と同等の上乗せを行う事を求めました。
こども本部長の答弁は「幼保連携型認定子ども園の安定的な運営を行うためには、認可保育所と同等の職員の加配が必要であり、最低基準に対する上乗せ基準を別途、市の補助基準等において整備して参りたい」「看護師の配置も必要と考えるので検討していく」「障害児の受入れに対する職員の加配について現行の認可保育所に対する加配と幼稚園における特別支援教育に対する支援を継続する」「これら上乗せについて必要な物と認識しているので関係局と協議して行く」と答えました。
施設が上乗せ徴収と実費徴収をすることについての質疑
新制度の保育料は応能負担になりますが、法律は、公定価格でまかなわれない費用について,施設が保護者から上乗せ徴収と実費徴収を行ってもよいとしており、市の条例でもそのことが盛り込まれ、よりいっそう負担増になるのではと懸念します。
上乗せ徴収は,基本的には(新制度に移行する)「幼稚園」が公定価格上の基準を超えた教員の配置をしている場合や、平均水準を超えた施設整備を行っている施設が徴収出来ると例示しています。
実費徴収は、施設の種別を問わず,保護者に負担させる事が適当であると考える費用で、例えば行事への参加費や施設の通園に要する経費、日用品、文房具、物品の購入などが対象となっています。
公定価格の増額を国にもとめ、減免制度をつくるべき
これらは、保護者の負担能力を超える徴収も考えられ、保護者の所得がこどもの保育の内容に直結するのではと懸念します。本来は国が安定的で平等な保育と公平な待遇を保障する公定価格を設定する事が必要です。保育・教育は基本的に公定価格内で行われるべきであり、最初から公定価格を超える部分について上乗せ徴収を行う仕組みは止めるべきであり、そうであるなら、公定価格の増額こそ国に求めるべきです。保育料含め、上乗せ・実費徴収について、少なくても市として低所得者及び多子世帯には配慮し、減免すべきです。と質問しました。
本部長は「上乗せ徴収・実費徴収については慎重な対応が必要と考えている。実費徴収について、所得状況によっては負担が困難な場合もあると考えられることから、国において「実費徴収に係る補足給付を行う事業」を示しているので、国の動向を注視しながら、その活用を検討してまいりたい」と答弁しました。しかし補足給付では、介護保険でも廃止されるように不安定な支援です。
保育料は値上げをしないように求める
保育料は、国の徴収基準をもとに、市町村が応能負担により定めますが、2011年度まで本市の国基準保育料額に対する保護者負担割合は66,4%でしたが2012年度から3年かけて値上げされ,今年度は75%で、この割合は政令市中4番目の高さとのことです。非正規雇用や派遣労働者の拡大などで子育て世代の所得は減少しています。新制度にあたり少なくても現状の保育料の引き上げをしないように求めました。
本部長は「新制度の国基準保育料の水準については基本的に市民税所得割額を基に階層区分が設定され、現行の基準額が置き換えられているので、平成27年度の保育料については現行の水準で設定して参りたいと考えている」と答えました。
明日は,利用調整基準についての質疑と9月3日の本会議で行った討論について報告します。