9月3日、本会議が開かれ、子ども子育て支援新制度の、今回提案された就学前の子ども対象の5本の議案の、採決が行われました。
採決に先立ち「討論」が行われ、私が共産党を代表して討論にたちました。
私達は、認可保育所の増設で待機児解消を進めるとともに、保育所以外の施設でも国や市町村の責任で保育の質を引き上げ、市が制定する認可条例や運営の基準に関する条例において、すべての子どもが等しく保育を受ける権利を保障する事が大切と考えています。
新制度では、幼稚園、保育園、認定子ども園に加えて,従来の認可外保育施設が新制度の枠のなかに入り、認可施設になります。市には、実施主体としての判断や裁量権があり、子どもの権利保障の立場から、現行基準を後退させない事、また設置基準の格差をなくし、保育の平等性を担保する事、現行施設の事業者への助成の継続を求めました。加えて、これまで市は、認可保育園に対し、国の最低基準の上に保育士の加配、看護師、栄養士などの配置、障害児受け入れの加配等を上乗せとして行ってきましたが、新制度もこれら認可施設に上乗せする事を求めました。
私達は、家庭的保育事業と小規模保育事業C型は明確に保育士や保健師等、現行と同等の資格要件とする事、小規模保育のB型は2分の1ではなく、せめて3分の2か4分の3にすること,訪問型居宅保育も専門職種とする事、これらを条例で制定することを求め,あわせて資格取得支援を充実することを求めました。
他都市では条例で盛り込むところがあります。川崎市は、現行を踏まえて別途要綱で定めると答弁しました。要綱では、不安定です。さらに、法律で国が示したように、公定価格の基準を超えた教員の配置や平均水準を超えた施設整備を行っている施設では上乗せ徴収が出来るとし、日用品や文房具などについて実費徴収が出来ると条例に盛り込みました。
低所得世帯や多子世帯にたいし、減免等を求めましたが、国が「補足給付事業」で行うとしているのでその動向をみたいとのことですが、それでは介護保険の補足給付のように「廃止」される恐れがあります。
また、現在、4階以上でも保育室を設けてもよいと規制緩和がされていますが、その場合に、避難の設備についての条例改正もありましたが、そもそも乳幼児にとって高層階はリスクが高いこと。保育士が1人の乳児をおんぶして両腕に抱っこしても3人が限界です。乳幼児の施設は子どもの命と安全を最優先にすべきです。
以上のことなどから、議案5件について共産党議員団は賛成しませんでした。
しかし、これから,私達が求めた内容が、要綱でどう示されるのか。資格要件や上乗せの確保、資格取得支援の内容の充実など、実質的に子どもたちが安心して生活し、発達がしっかり保障される環境となるよう、引き続き取組んでいきたいと思います。また待機児解消策についても提案し追求していきたいと思います。
討論の原稿は全文紹介します。