12月17日の本会議で、今議会の提出議案に対する採決が行われました。私達は反対議案になぜ反対するのかを「討論」で発言します。賛成議案に対しても、必要な場合は討論で発言します。
12月議会では、学童保育事業の設備と運営に関する基準について条例の創設の提案がありました。共産党は、賛成しましたが、いくつか重要な課題がありましたので、質疑を行ない,賛成の理由と課題について意見要望を発言しましたので以下、長くなりますが紹介します。
議案第146号川崎市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例の制定についてです。
本条例は「こども子育て支援法」により、放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定めるものです。
本条例の対象となる事業は、本市で行われるすべての放課後児童健全育成事業であり、市が放課後児童健全育成事業を包含して実施するわくわくプラザ事業と、市に届け出を行う事業者が対象です。また、本事業における支援は「保護者が労働などにより昼間家庭にいない小学生」で、発達段階に応じた主体的な遊びや生活が可能となるよう、自主性、社会性、及び創造性の向上、基本的な生活習慣の確立を図り、当該児童の健全な育成を図ることを目的として行われなくてはならない」(第5条)と定めています。
子ども子育て支援法において、学童保育の部分は、自治体の実施責任が強化され、これまで定めがなかった最低基準が示されたことによる本条例案については賛成しますが、以下、意見要望します。
第8条「設置の基準」についてです。
「遊び及び生活の場としての機能並びに静養するための機能」を備えた専用区画として、児童一人につき、概ね1,65㎡以上でなければならないとしております。第9条により、支援の単位はおおむね40人以下とされ、40人を超える場合には、学校との調整により専用区画を確保するとのことです。
2013年4月時点のわくわくプラザ事業の現状は、定期利用の登録数のうち、「保護者就労児童数」が40人以上は76校、そのうち、80人以上を超す学校は18校もあります。
2015年4月に向けた各学校と協議している専用区画の確保として、図書室が11校となっていますが学校教育の図書室が「遊びと生活の機能並びに静養するための機能」としての専用区画になる根拠について質疑したところ、厚生労働省との協議で了解されたとのことです。しかし、本来、学校教育法における図書室で読書する環境と放課後児童健全育成事業としての遊びと生活および静養の環境は、それぞれ確保、保障する方向性をもつべきと考えます。
そのほか、「必要なスペースの使用承認予定」なっている9校については承認される方向性ではあるとのことですが協議中とのことです。現在、確保の見通しがついていない学校は4校あり、そのうち東門前小学校はプラザ室の拡張、子母口小学校と下沼部小は2015,16年度の校舎の増改築に伴い拡張するとのことです。
今年4月の対象児童は5901人だったのに対し、2015年4月の対象児童の見込みを6,190人、計画期間の2019年4月の見込みは、今年4月より1,000人増え6956人としているとのことですが、現状でも専用区画の確保に、かなり苦慮していると思われることから、増大する見込みに対して、今後、専用区画を学校内に確保していくことが困難になるのではと危惧します。
児童福祉法の改正で、市町村以外の民間事業者からの市町村への届け出が必要となり、現在17カ所、定員530人から届け出がされているとのことです。、今後増大する見込み数にたいして、今後の方向性として自主学童保育を含めた民間事業者の学童保育を確保対策に位置づけするべきです。
このことは、児童福祉法の改正で「事業の実施促進」として児童福祉法第56条の7の2項に「社会福祉法人その他の多様な事業者の能力を活用した放課後児童健全育成事業の実施を促進し、放課後児童健全育成事業に係る供給を効率的かつ計画的に増大させるものとする」が新設され、さらに3項で「必要な支援を行う」と明記されています。民間事業者への支援について、わくわくプラザ事業との整合性を踏まえながら、その支援のあり方を検討しているとのことですが、法の改正にあわせ、自主学童保育等民間事業者の行う事業を選択する児童にも保障し、ぜひ要望を反映した具体的な支援策を講じることを強く要望します。
第9条「職員」についてです。「放課後児童支援員の数を、支援の単位ごとに二人以上とする」ですが、40人を超えた場合は基準に沿った配置をするということでした。
提起されている放課後児童支援員の資格基準と、現在のわくわくプラザ事業における指導員の資格要件についての質疑では、支援員として必要となる人数について、条例で定める資格基準を満たした人数を確保できるとのことです。
民間事業者については、届出時に資格の有無を確認しているとのことですが、資格取得支援を行うことを求めておきます。
(支援員の専任義務について)、本市のわくわくプラザにおける放課後児童健全育成事業の支援員の専任義務については、「『放課後子ども教室』などすべての児童と一体的に実施する際に、放課後児童健全育成事業の利用者が、利用者以外の児童とともに、遊びや生活の時間を過ごすことが望ましいことから、両事業において適切な人数の職員が配置されている場合に、放課後子ども教室に従事する者と協力し、放課後児童支援員等が、利用者以外の児童の安全管理等を合わせて行うことを妨げるものではない」との5月30日付け厚労省の通知によって、今後についても包含する形で全ての児童を対象としてわくわくプラザ事業を引き続き実施してまいるとのことです。
しかし、第9条の5において、「放課後児童支援員及び補助員は、支援の単位ごとに専ら当該支援の提供に当たる者でなければならない」と定めていることから、今後の方向性のなかで、棲み分けの検討を求めておきます。
放課後児童健全育成事業国庫補助について、
小学校休業日の開設時間は8時間と規定されることにより、放課後児童支援員を常勤配置する場合の補助の引き上げについて、開設日数や開設時間による加算額を国に申請しているとのことですから、質の向上に向けた取り組みを要望しておきます。