このまちで子育て

「あらたな公立保育所」を増やし、人員増を!【予算審議特別委員会】

2015年3月6日

3月6日、予算審査特別委員会が開かれ2015年度から5年間の「子ども子育て支援事業計画(案)」について質問にたちました。この事業計画のなかの「新たな公立保育所」についてとりあげました。

市は、高まる保育需要に迅速に対応するため、企業などを含め多様な運営主体による保育所の整備を進め,量の拡大を図ってきました。園庭やプールのない小規模の保育所が急激に増えるとともに、保育士の平均経験年数が1~2年の保育所が大変増えることにより、保育サービスの質の維持と向上が大きな課題になっていると事業計画の中で述べています。

一方、その対策として市は、川崎市の公立保育所の中から「新たな公立保育所」として各区3か所を指定し、「地域の子ども子育て支援」「民間保育所への支援」「公・民保育所人材支援」の3つの役割を担わせ、全市の保育の質の向上を図るという取り組みを、全区で始めました。しかし3か所以外の公立保育所は順次民営化するという矛盾をもっています。

私は度々、すべての公立保育所が、これまでも園庭解放やプール解放、育児相談や交流保育など地域の子育て支援などをになっているのだから、これ以上民営化しないよう議会質問を繰り返してきました。そのうえ、さらに、周辺の認可保育所、認可外保育所、小規模保育事業や川崎認定こども園などの保育士を対象として、民間保育所の人材育成も始めました。はたして新たな公立保育所が各区3か所だけでいいの?という意見や、機能が次々増えているのに人員増がなくて過密労働でやめていく人も多いという公立保育所の声を紹介し質問しました。以下質問と答弁の概略です。

質問①2014年度の新たな公立保育所の3つの機能の具体的な取組と新年度の取組みは?

②支援する「民間保育所」の対象施設を伺います。

こども本部長の答弁

① 「今年度の取組みについて、『地域の子ども子育て支援』については公立保育園の単独事業をはじめ、地域の子育て関連団体等と積極的な連携を図り『保育連続講座』等も行った。各種事業をきっかけとして、つながりを持った育児に悩む保護者に対して、さらに発達相談支援コーディネーターによる相談等を行い、関係機関と連携し、地域の子育てに悩む保護者の不安解消に積極的に務めてきた」

『民間保育所等への支援』についてはエリア内の民間保育所等との定期的な連携会議の実施や訪問を行い、園庭やプールの共同利用や交流保育の実施をしてきた。

『公・民保育所人材育成』については、公開保育や事例検討、研修会などを実施した。

来年度については今年度の取り組みの効果について年度内に検証し課題等を踏まえて取組みを進めていく」

② 民間保育所の対象施設は認可保育所、認可外保育施設のほか、認定こども園や幼稚園等も対象となる」と答弁しました。

質問 「新たな公立保育所」が支援する対象となる認可保育所、認可外保育施設、地域型保育所などの各区の保育施設の設置状況と定員を伺います。

こども本部長の答弁

「民設民営保育所、家庭的保育や小規模保育等の地域型保育施設、川崎認定保育園及びお仲間保育室について、平成27年4月1日における各区の施設数と定員の合計ですが

川崎区、49施設、2,595人

幸区、 45施設、2,139人

中原区、85施設、5,081人

高津区、66施設、3,159人

宮前区、53施設、2,595人

多摩区、52施設、3,392人

麻生区、39施設、2,234人となっています。

質問①公立保育園の保育士の声を紹介しました。「近くの民間保育園にプール開放を行い職員同士学びあっている。近くのビルの1室の庭のない保育園から遊びに来て、手作り遊具で喜んで遊ぶこどもをみて、保育士が私たちも作ってみますと喜んで帰る姿に触れ、自分の保育園が民営化されたらこの役割をどこが担うのか心配している。人材育成支援として公開保育や事例検討会を周辺の民間保育所と一緒に行っているが、参加者が意欲的で若い保育士が精いっぱい頑張っている」などの声を紹介し、支援する施設が大変多く、しかもか所数も定員も格差がとても大きい。各区3カ所ではなく、対象が非常に多い中原区や高津区、多摩区などに対し、もっと新たな公立保育所を増やすべきではないか。

②「新たな公立保育所』では、通常保育をしながら、これら機能を果たすために、資料作りや夜の研修会などが大変多く、過密労働になっていると仄聞している。この実態から、これだけ機能を増やしているのだから見合う人員増をすべきと質問しました。

子ども本部長の答弁

について「平成24年度に策定した新たな公立保育所のあり方基本方針において、各区に3か所のセンター、ブランチを設置したところ。今年度から全区で取り組みを進めるとともに、引き続き組織、機能の在り方も含め検証してまいります」

職員数について、今年度新たに職員を各区に5名配置し、新たな公立保育所と子ども支援室の兼務体制とした。今後については、事業実施状況などを踏まえながら、関係局と調整し、必要な体制の確保に努めてまいりたいと考えている。」

私の意見要望

「保育ニーズの増大に対し今後も認可保育所や小規模保育施設など定員枠の拡大がはかられていくなか、対象となる民間保育施設がますます増えていく。新たな公立保育所が各区3か所では足りなくなる。答弁は「組織、機能の在り方を含め検証する」とのことですから対応して増やすことを強く要望します。

また、今後、保育士の確保の課題が大きくなることを考えれば、これ以上民営化せず、せっかくある公立保育所の人材と果たしている機能を活かすことこそ「保育の質の維持向上」に寄与し効率的だと考える。

新たな公立保育所への人員増については事業実施状況などを踏まえながら、関係局と調整し、必要な体制の確保に努めてまいりたいとのことですから、現場の実態をよく見て、必要な人員増を強く要望します」と要望しました。