5月27日共産党市議団主催で、戦争法案の講演会を開催しました。ノンストップで2時間半、最初から最後までズバリ息を抜けない講演でした。
もともと自民党政権は9条を変えようとしたけれど、国民の運動がそれを許さず、仕方ないので、9条の下で安保と自衛隊存続をはかり、「自衛のための必要最小限度の実力」とし、合憲をはかってきた。
憲法9条の下で、自衛隊の海外での武力行使に障害物となってきた2つの政府解釈が①集団的自衛権は憲法に反する=違憲である。 ②他国の武力行使と一体化した活動も認めない=戦地には行かない、行けない という政府解釈であり、このままでは、アメリカの要請に応えられない。しかし、9条明文改憲も国民の強い反対で失敗した。
そこで第2次安倍政権は、この2つの解釈を中心とした政府解釈の体系を壊す事めざし、明文改憲を避け、解釈改憲で9条を壊そうとした。
同時に戦争する国にするにはやらなければならないこととして
『自衛の為にはこれはいらない』とされてきた軍備を侵略の軍隊にかえる必要があるとする「防衛計画の大綱」を再改定し、自衛隊に海兵隊の機能を持たせる事やイージス艦や敵基地を攻撃する弾道ミサイル、オスプレイなど早期に整備する必要があるとした。
そしてさらに、憲法に基づいて維持してきた戦後の制度を改変し、戦争するのに不可欠な制度、体制づくりをしてきた。
・ 秘密保護法がなければ戦争は出来ないとして2013年12月に多くの国民の反対が渦巻く中強行採決して、秘密保護法をつくった。
・ さらに、戦争指導部がなければ戦争が出来ないとして2013年12月国家安全保障会議をつくった。
・ さらには国防計画がないとして国家安全保障計画をつくった
・ 武器輸出3原則も撤廃した。
しかし、安倍内閣は秘密保護法策定に対し誤算があった。反対運動が大きく広がったこと、内閣法制局の抵抗、マスコミの批判,公明党の動揺などがあった。
この辺の体系立てた講演のくだりが「なるほど!」と胸に落ちとても面白かった。そして統一地方選挙のあとに国会にだした「戦争法案」の「いつでも」「どこでも」「どんな戦争にも」「あらゆる形で」という中身も本当にひどい。憲法9条を根底から破壊する中身です。違憲立法ですから廃案にするしかないと思います。
そして最後,安倍政権は強くないという情勢の話はとても励まされました。
戦争法案には良心的保守層もとても危惧している。の話に『2度と戦争をしたらだめだ!』と話してくれた戦争体験者の方々の顔が何人も浮かびます。安保闘争の時とは違い、地方にも原発再稼働やTPPによる農業の破壊など安倍政権に対する怒りと不信が広がっている。労働・雇用の改悪、医療制度の改悪などにも国民の反発が広がるなど決して安倍政権は強くない。市民運動の力も、女性の力も大きく広がっている。若い人だけでなく、中高年の立ち上がりもすごい。
先生は共同行動を強めていけば戦争法案を阻止する力を持っている。運動が政治を変える。春から夏が正念場。通常国会で何としても止めて行こう。と結びました。勇気がわく講演会でした。